集中力が続きません

Q.集中して何時間も勉強し続けるにはどうしたらよいでしょうか。

 私はとにかく飽きっぽい性格です。大学受験の赤本を買って勉強したいのですが、一教科の過去問を解くのもままならず、10分もすれば「飽きたー!」となって、スマホに手が伸びてしまいます。どうすれば何時間も集中して勉強できるようになるのでしょうか

A. 小分けにして味変してみてはどうでしょうか。

 私も飽き性です。大学受験の赤本ですか。なつかしいですね。

 赤本といえば、書籍というよりも凶器というジャンルに分類した方がしっくりくる分厚さと重さですよね。それに、本棚に並べるとインテリアの調和をぶっこわす、あの主張した赤色も特徴的です。あれはきっと、数々の受験生を屠り、その血をすすって染まった赤なのでしょう。
 
 そんな恐ろしいものを、何時間もぶっ続けて勉強できるとしたら、そっちの方がどうかしています。まずは「何時間も勉強し続ける」という、その幻想をぶち壊しましょう。もしかすると、勉強を連続でし続けるということは、そんなに大事なことではないかもしれません。

 勉強というのは、それがたとえ試験中であっても中断してよいものです。大学受験の本番中に「この物理化学を落としたら俺は終わる」というプレッシャーの中でも、スッと手を挙げて試験会場を抜け出し、試験官に見張られながらトイレでお花を摘み、貴重な時間を浪費することだってできます。私のなつかしい思い出です。

 トイレから試験会場に戻ってきたとき、私が気づいたのは、世界が変わっていたということでした。それまで便意で満たされていた茶色の景色は、跡形もなくなっていました。私はいろいろとスッキリした頭で、物理化学の答案用紙を埋めていきました。あのまま試験を受け続けていたら、どうなっていたでしょうか。勇気を出して「トイレに行きたいです」と言えて本当によかったです。

 何の話だったかというと、中断が大事だ、ということです。かの哲学者デカルトは言いました。「困難は分割せよ」と。

 もっと言うと、こまめに中断を入れて勉強を小分けにした上、味変(あじへん)をするのが大切です。

 勉強をしゃぶしゃぶに置き換えてみましょう。しゃぶしゃぶを食べるとき、いつまでもポン酢だけで行くでしょうか。ポン酢、ゴマダレ、ポン酢、ゴマダレ、ポン酢、ゴマダレ、と味変しながら食べるのではないでしょうか。たまには、大根おろしをまぜたり、ピリ辛にしたり、ゆずポンに変えたりもすると思います。

 あんなに美味しいしゃぶしゃぶでさえ、味変させるのです。勉強という名のドブ貝こそ、味変しなければ食べ続けられるわけがありません。きっとデカルトも来日してしゃぶしゃぶを食べたら「困難は分割して味変せよ」と言い直したはずです。

 では実際のところ、どのくらい中断してよいのでしょうか。私の受験期の好みでいえば、10分~15分に一度は「ふぇー。つかれたよぉ」という状態になるので、そのたびに休憩を入れていました。トイレに行ったり、散歩をしたり、携帯をいじったり、5分だけ寝たり。一緒に受験勉強をしていた友人からは「驚くほど休む」と評価されていました。

 一方で、勉強の味変はどうやっていたかというと、教科を変えるという基本的なものではすぐに飽きてしまったので、固定概念を壊してみる、という味変をしていました。どういうことかというと、たとえば「勉強は座ってするものだ」というのが固定概念です。実際は立ってしてもいいし、寝転んでしてもいいし、歩いてもいいし、走ってもいいし、エアロバイクに乗ってもいいし、空気椅子でも勉強ができます。

 「目玉焼きは醤油をかけて食うもんだ」という固定概念を疑ってみると、マヨネーズが意外といけたり、トリュフ塩でもおいしかったりする発見があります。目玉焼きという形状を疑って、ポーチドエッグにするという発想もあります。同じように、英単語を覚えるときは意外と立って勉強した方が覚えやすい、という発見があったりします。

 壊してみると面白い固定概念としては「勉強は静かなところでするものだ」「勉強は利き手でするものだ」「勉強は服を着てするものだ」「参考書は1ページ目から読むべきだ」などがあります。

 どの方法がいいというわけではなく、いろいろ試してみると「飽きない」ということが言いたかったのです。結局のところ、一周回って目玉焼きには醤油をかけるでしょうし、勉強は座ってするでしょうし、いったんは脱ぎ捨てた服と下着も着ることでしょう。何も得てないように見えますが、その過程として、ある程度の勉強時間が楽しく確保できた、という結果が得られます

 集中して何時間も勉強し続ける才能に恵まれた人をみると、嫉妬に狂いそうになります。しかし、嫉妬の炎で自分の身を焦がすのは不健全です。どうせなら、その炎で目玉焼きとしゃぶしゃぶを作って、味変を楽しんでみるのはどうでしょうか。

まとめ

集中力を持続させる方法を紹介しました。連続的に集中するのは無理なので、積極的に中断をして、味変をして、自分を飽きさせない工夫をしてみましょう。固定概念を壊しながら、いろんな勉強法を試してみると、結果としてある程度の量の「集中した勉強時間」を確保できたことになります。

 
 

 

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