授業中にできる暇つぶしを教えて!

Q.授業を受けるのが退屈です。いい暇つぶしを教えてください!

 当方、中学生です。人の話を黙って聞くのが苦手なのですが、毎日これでもかというくらい授業を聞いています。正直なところ飽きています。これがこの先何年も続くのかと思うとゾッとします。かといって、教室を飛び出て非行に走るほどの度胸もありません。地図帳・国語便覧・社会科資料集の三種の神器は読み飽きてしまいました。この退屈を乗り切るよい暇つぶしを教えていただけないでしょうか

A.美文字の練習をしてはいかがでしょうか。

「暇つぶし」として最高なのは、漫画を置いて他にありません。あらかじめKindleに漫画をダウンロードしておけば、いくらでも時間を溶かすことができます。惜しむべくは、スラムダンクが電子書籍化していないことと、漫画を購入するためにそれなりのお金が必要ということでしょうか。

 しかし、質問者の意図としては、Kindleで漫画を持ち込むといった「先生に怒られる類の暇つぶし」ではなく、「教科書やノートを使って合法的に行う暇つぶし」を教えてほしいということだと思います。教科書の端を活用して、パラパラ漫画を制作するアイデアも思い浮かびましたが、これも見つかったら怒られるため、別案を考えました。

 「美文字の練習をする」というのはどうでしょうか。黒板に先生が書いた文字を、自分の可能なかぎり綺麗な文字でノートに書き写せたら勝ち、という独り遊びに興じるのです。だまされたと思ってやってみてほしいのですが、本気で文字を書くのは意外に楽しいものです。ノートに整然と文字が並ぶと気分がスッキリします。60分授業があるうちの10分くらいは、美文字の練習で潰すことができます

 そうなると文房具にもこだわりたくなります。ソフト下敷きは欠かせません。小学生だったころ、私は学校で一番字が綺麗だったM君の文房具を観察し、それと同じものを使えば習字力が向上すると考えて、ソフト下敷きを始め、銀色の鉛筆キャップなど一式を買い揃えたことがありました。それで文字がキレイになったかは記憶にありませんが、少なくとも新しい文房具にワクワクして、授業の退屈さを忘れられたことは確かです。

 よく考えれば「ペン習字」という大人の習い事があるくらい、美文字練習は趣味としての地位が確立されています。通信講座を受けるとお金が掛かりますが、授業中に勝手に練習するだけであればタダです。学校で合法的に興じれる趣味として、もっとメジャーになってもいいと思います。

 ただし忠告があります。それは、綺麗にとったノートはあくまで自分が鑑賞する用にとっておき、あまり人に見せびらかさないほうがよい、ということです。中学校のときですが、私の英語のノートがあまりにも綺麗だというのが話題になりました。橋本環奈も驚く千年に一冊の美ノートでした。

 褒められた私は「なんだよ、照れるぜ」くらいに思っていたのですが、なんと先生がノートにいたく感動してしまい、クラスのみなに「このように書くように」と指導するようになったのです。先生の眼には、私が一生懸命に授業に耳を傾ける理想的な生徒に映ったようでした。

 私は先生の授業を大切にしていたのではありません。むしろ逆です。退屈を極めたものだけに開かれる美文字道を、迷いなく突き進んで生まれた産物がそのノートなのです。ノートを美文字で満たすことに集中するあまり、肝心の授業は聞いてなどいないのです。

 そんな私の犯行に気づかず感動する先生の姿に胸が痛みました。その後の授業でも、引き続き美しいノートを期待されている気がしてプレッシャーを感じました。このような罪悪感を抱きたくない場合、美ノートは内に秘めることをおすすめします。

 ちなみにですが、授業を退屈だと思う感覚は、大人になっても薄れることはありません。むしろ、会社の研修でセミナーを受けることになって、久々に授業形式で話を聞くと、15分もしないうちにお尻がムズムズしだし、30分を過ぎるころにはセミナー室を飛び出して盗んだバイクで走り出したくなります。いったい学生のころの私は、どうやって毎日授業を聞いていたのかと不思議になるほどです。

 私のように大人になってからセミナー室を飛び出さないためにも(今のところ幽体だけ離脱して飛び出しており、実体は飛び出しておりませんが)、学生のうちに「授業を聞く忍耐力」あるいは「退屈な授業中に暇をつぶす技術」を身につけておくことが重要だと思います。その意味でも、美文字練習といった合法的な技の習得を取り組んでおく意義はあるのではないでしょうか。

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