パパは存在しない動画を見せて!と言われたときのうまい返し方を教えてほしい

※育児日記はじめます。不定期更新。

三歳の息子が、いやいや期まっさかりである。足利義満のように無理難題をふっかけてくる。たぶん私のことを一休さんだと思っている。

最近こんな難題を出された。

しんかんくんのパン屋さんの動画見せて!

この難題が解けなくて詰んでいる。うまい返しを教えてほしい。あまりにも無理難題すぎて、逆に面白くなってきている。とりあえず状況を説明する。

今の状況

「しんかんくんのパン屋さん」は絵本である。作者はのぶみさん。新幹線を擬人化した「しんかんくん」がパンをこねるが、手が車輪なのでうまくできず、駄々をこねる物語である。けっこう面白い。

これが乗り物大好きな息子のハートに福澤明1くらいジャストミートしている。その絵本の動画を見たいらしい。絵本の動画とは?

知らんものは知らんので、そんな動画ないよー、と言ってみたが「みるー!みるー!」と言って止まらない。泳ぎだしたマグロくらい止まらない。

このイベントは、小田和正のラブストーリー2くらい突然に発生した。時刻は夜9時。予測は不能。回避も不能。早く寝かしたいのだが、動画を見るまで寝ないらしい。なかなかのトラップカードである。

作戦を練ってみた。

作戦1.絵本を読む

図書館で借りた「しんかんくんのパン屋さん」が手元にある。これを読むから手を打ってほしい、と願い出てみた。却下された。動画がいいらしい。リアルより動画がいいとは、どういうことか。

あれか。お母さんと一緒で好きだったガラピコ3を、いざ実物で見たら、迫力が凄くてひいたとか、そういう話か。違うか。

作戦2.読み聞かせ動画を探す

とにかく動画がいいと言う息子。おそらく読み聞かせ動画が見たいのだろうと考え、YouTubeで検索した。そしたら、作者が公式でやってるチャンネルを見つけた。しかも読み聞かせ動画があるではないか。これは勝った。もろたで工藤4

過去動画を漁ると、しんかんくんシリーズの読み聞かせ動画にたどり着いた。だが肝心の「しんかんくんのパン屋」がない。仕方がないから、シリーズの別の作品を息子に見せた。これ見たら寝るんだよ、とお約束付きで。

息子は喜んで見てた。そんで寝た。
めでたし、めでたし。

とは、ならんかった。次の日の夜、またいやいやが発動した。「しんかんくんのぱんやのどうがみるー!」スヌーズ機能でもついとんかいな。

しかも災厄レベルが上がっていた。もう「しんかんくんのパン屋さん」以外の動画では承知してくれなくなった。「しんかんくんのぱんや!しんかんくんのぱんや!」と叫んで眠らない。夜の歌舞伎町くらい眠らない。

何が息子をパン屋に駆り立てるのか…。

作戦3.夢枕

そんなに動画がみたいなら、枕の下に絵本しいて寝てみな。そしたら夢でみれるかもよ。と息子に言ってみた。名付けて夢枕作戦。あまりに寝てほしくて、変な作戦を立ててしまった。

だが意外にも効いた。

「え?ほんと?みれるの?」って感じで、ワクワクしながら絵本を枕の下に設置してた。息子がピュアすぎて可愛い。よーしねるぞー!とか言ってた。

3秒後

「はい、ねたよー!どーがみせてー!」と起きてきた。一瞬意味がわからずポルナレフ5になったが、冷静になると分かった。たぶんこういうことだ。息子は「夢で」の部分が理解できなかったのだ。だから、絵本を枕に敷いて寝たら、パパが動画を見せてくれると思ったらしい。残念

夢枕もダメか…。

作戦4.読み聞かせ動画を撮る

私はアホである。読み聞かせ動画がないなら作ればいいじゃないとマリーアントワネット6が言っていたではないか。そう、ないなら作ればいいのだ。

手順は簡単だ。スマホを録画モードにして、私が絵本を読む動画を撮る。これだけだ。よし、やるぞ。

と思ったところで気づいた。著作権NGだわ。YouTubeにたくさん読み聞かせ動画が上がってるけど、基本的に作者の公式以外は著作権違反だったはず。家の中でしか見ないとはいえ、息子の前で堂々と法律違反するのはいかがなものか。

買ってきた絵本だったらまだいいのかもしれないが、図書館で借りた絵本だし。ダメだよな。

というわけで動画撮影は諦めた。

作戦5.そうだねー。みたいねー。

自己肯定感という言葉がある。

私に足りないものランキングにおいて、堪忍袋の強度、ギャグセンス、の次にランクインするのが自己肯定感である。

自己肯定感とは「自分はこのままでいいんだ」と思える感情のことである。自己肯定感が高まると、感情が安定し、ポジティブな考え方ができるようになるらしい。

胡散臭い。だが、子育てに役立つ。要は息子の自己肯定感を高めると、問題行動を減らせるのだ。

相手の自己肯定感を高めるには「共感的に話を聞く」ことに徹すればいいらしい。「そうだねー。そう思うんだね」と話を聞いてあげるだけ。お手軽だ。やってみよう。

というわけで、息子が「しんかんくんのどうがみるー!」と怒るたび「そうだねー。みたいんだねー」と共感してみた。ダメだよとか、否定的な言葉をやめて、肯定的な言葉だけを使うようにした。

一時間後

「しんかんくんのどうがみるぅぅぅ!みるぅぅぅ」全然効かへんやんけ。どうなってんねん。

あまりにも諦めが悪い。全然諦めないね、と息子に話しかけてみた。そしたら「あきらめない!○○(息子の名前)はあきらめない!」って言ってた。

なんで?って聞いたら、幼稚園の先生に「諦めないで」って言われたかららしい。なんだそれ。「○○(息子の名前)はあきらめない!せんせーにいわれたからあきらめない!」って連呼してたのが面白かった。どこで自己肯定してんねん。

頑固やなー。誰に似たんやろ。私か。

さらに一時間後

やっと寝た。寝る直前まで「しんかんくんのぉぉ!ぱんやぁぁ!」って叫んでた。おかしい。パン屋に呪いでもかけられたか?

寝かしつけに二時間かかるのは、しんどいなぁ。

作戦6.絵本作り

今日は土曜日。仕事は休み。せっかくの休みだから、思う存分、勉強法を考えるぞー。そうなれば素敵だが、現実は子供の相手をしないといかん。勉強法ではなく育児法を考える日々である。

私はアホである。著作権がないなら作ればいいじゃないとマリーアントワネットが言っていたではないか。自分で絵本を書けばいいのだ。

というわけで「しんかんくんのパン屋さん」というタイトルだけお借りして、オリジナルの絵本を書いてみた。全10ページ。作者はパパみ。作業時間は3時間。貴重な休日を溶かして作った力作である。

それをスキャナで取り込んで、スマホアプリで動画に仕立てた。

息子はめちゃくちゃ喜んだ。
めでたし、めだたし。

とは、ならんかった。続きを書けと言われて、今書かされている。無限地獄に堕ちた。

まとめ

以上が今回の経緯である。息子の無理難題に付き合っていたら、いつのまにか週刊連載を抱える絵本作家になってしまった

今も連載は続いている。誰か助けてほしい。

  1. 元日本テレビのアナウンサー。朝の情報番組「ズームイン!!朝!」の司会を務めた。たいして当てはまっていなくても「ジャストミーート!」と叫んでしまう癖がある。 ↩︎
  2. 1991年に流行したドラマ「東京ラブストーリー」の主題歌が、小田和正さんの「ラブストーリーは突然に」である。世代を超えて愛され、突然に始まるものの代名詞となった。 ↩︎
  3. 2016年から2022年にかけて放送されたNHK Eテレ「おかあさんといっしょ」に出てくるロボ。ロボのくせに自分の気持ちを制御するのが苦手なKY的存在。 ↩︎
  4. 「名探偵コナン」に登場する西の高校生探偵・服部平次の決め台詞。と思われがちだが、実は作中で「もろたで工藤」は一度しか言っていないらしい。 ↩︎
  5. 「ジョジョの奇妙な冒険 第3部」に登場するお調子者。「世界」の片鱗に触れたときに出たセリフである「あ…ありのまま今起こったことを話すぜ!」が有名。よく分からないことに出会って混乱している中でも、せめてありのままの事実は伝えようとする誠実な青年。 ↩︎
  6. 「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」というナチュラルに上から目線な言葉を放った王妃。これが貧民の復讐心の火をつけ、フランス革命を引き起こした。と言われているが、実は濡れ衣で、本人は言っていないらしい。 ↩︎

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