勉強に才能は必要でしょうか?(1)

Q. 勉強に才能は必要でしょうか?

A. 必要だと思います。でも、才能は伸ばせますよ。

今回のテーマは「勉強の才能」です。

とんでもなく頭のいい人に出会うことがあります。東京大学に在籍していたころは、それこそ石を投げたら秀才に当たるくらい、自分より遥かに賢いパーフェクトヒューマンたちに囲まれて生きていました。

全国模試の順位が1桁の人がいましたし、小学生の時に全国1位を連続で取り続けた有名人もいました。ノーベル賞候補と呼ばれる教授もいました。また、アメリカの大学在籍していたころは、ハーバード大学出身のイケメン准教授と一緒に働きました。とんでもなく頭が切れる人たちでした。彼らと自分は何が違うのだろう、と疑問に思いました。

勉強は才能だ

自称・勉強法ソムリエとしては、彼らの脳内が気になって仕方がありませんでした。彼らの「勉強の才能」は、金銀財宝やダイヤモンドを超えて、賢者の石くらいの大秘宝なのではないだろうか、と思えました。なんとか彼らの賢者の石を手に入れたい、その思いから、名前を言ってはいけないあの人くらい勉強の才能に執着した時期があります

そんな私の結論は「勉強は才能だ」です。

同じ90分の講義を受けたはずなのに頭がいい友達は、試験問題をスラスラ解けるようになります。私は、彼の答えを見させてもらい、解き方を暗記しようとヒーヒー言っています。この違いを才能と言わずして何と言いましょうか。同じ授業を受けているのに「違うわ。ウィンガーディアム・レヴィオーサよ?あなたのはレヴィオサー」と煽られたロンの惨めな気持ちが、私には良く分かります。

しかし、悲観的になるのは早いです。
まだあわてるような時間じゃない、と仙道も言っています。

親の顔より週刊少年ジャンプを見て育った私たちは、アイシールド21に影響されるあまり「生まれ持った才能がすべて」という思考に陥いりがちです。しかし、勉強の才能に恵まれている人を観察しているうちに、身長やジャンプ力といったスポーツの才能と勉強の才能は違うということに気がつきました。

勉強の才能は自力で開発できる

スポーツの才能は遺伝や運で決まります。才能のなさを覆すのは難しいです。一方、勉強の才能は遺伝もありますが、後天的に伸ばせます。また、ツールでも補うことができます。

そうなのです、勉強の才能は、自力で開発できるのです。生まれながらにして持つ「純粋な勉強の才能」と区別するために、後天的に鍛えた才能をエセ才能と呼ぶことにしましょう。

高度に発達した筋肉は魔法と見分けがつかないと言われますが、高度に発達したエセ才能も、先天的な才能と見分けがつきません。エセ才能を開発することで、天才たちの仲間入り!…とは行かないまでも、勉強であまり困らないレベルにはなれると思います。

前置きが長くなりました。今回は、勉強のエセ才能について語ります。エセ才能を伸ばすためには、まず才能をよく知ることが大切です。才能をタイプ別に分類し、各タイプについてどういうトレーニングをすればエセ才能を伸ばせるか(または補えるか)、私なりの戦略を紹介します。

才能のタイプ別分類

ここでは勉強の才能をタイプ別に分類してみます。

勉強の才能とは、学力を高める才能です。単純に考えると、学力について以下の公式が成り立ちます。

学力 = 初期保有値 + 伸び率 ✕ 努力量

この式を使って考えると、学力が高い人の特徴は、初期保有値(就学前の時点で知っている知識量)が多いか、努力に対する学力の伸び方が半端ないか、努力量そのものが半端ないか、の3タイプに分けられます。これを才能タイプA〜Cと呼ぶことにします

才能タイプA ... 初期保有値が多い
才能タイプB ... 伸び率が大きい
才能タイプC ... 努力量がすごい

才能タイプAは、学力の初期保有値が多い人。これは転生者限定特典です。前世の記憶でも持っていない限り、就学前の知識量の差は大したものではありません。実際、私が頭がいいなぁと思ってきた人々は100%、才能タイプAではなく、才能タイプBか才能タイプC、あるいはBCを両方合わせ持つ人でした。よって、才能タイプAは無視してよいです。

才能タイプBは、学力の伸び率が大きい人です。論語の最強キャラ「顔回」のように一を聞いて十を知るエスパー野郎を見つけたら、それは才能タイプBです。10人の話を聞き分けて「トヨト耳」という変なあだ名を付けられた聖徳太子も才能タイプBに当てはまります。才能タイプBは情報処理能力に優れており、一瞬で「あ、こいつ賢いな」と思わせてきます

才能タイプB「伸び率」は、以下のように、さらに細かく分けられます。詳しくは後述します。

才能タイプB1.瞬間記憶力
才能タイプB2.長期記憶力
才能タイプB3.言語化能力
才能タイプB4.内容理解力 
才能タイプB5.情報収集力
才能タイプB6.読書力
才能タイプB7.応用力
才能タイプB8.集中力

才能タイプCは、努力量がすごい人です。実は、東大生の中にも上位層と下位層が存在します。東大生は皆、勉強の妖怪ですが、ぬ〜べ〜で言えば、上位層は覇鬼や絶鬼、下位層はハタモンバくらい、妖怪としての格に差があります。私の観測によると、上位層と下位層を決定的に分けている要素はタイプCの才能です。上位層の努力量はマジでやばいです。

才能タイプC「努力量」は、以下のように、さらに細かく分けられます。詳しくは後述します。

才能タイプC1.集中持続力
才能タイプC2.目標設定力
才能タイプC3.仕組作成力
才能タイプC4.興味掻立力
才能タイプC5.味付変化力

以上、才能タイプをA, B1~B8, C1~C5の14個に分類しました。このように分けて考えると、才能の正体がグッと掴みやすくなります。才能を伸ばす戦略も考えやすくなります。ここからは各才能タイプを詳しく考察していきます。

才能タイプB1. 瞬間記憶力

瞬間記憶力とは、本を1回読むだけですべて暗記できてしまう特殊能力です。サヴァン症候群の一種と思われます。歴史上では、数学者のジョン・フォン・ノイマンがこの瞬間記憶力を持っていたと言われており、電話帳を丸暗記したとか、海外小説を読むだけで語学を習得したとか、信じがたい逸話が残っています。自分にも瞬間記憶力があればなぁ、と何度夢想したことでしょう。

恐縮ながら「勉強の才能は開発できる!」と宣伝しておいて、さっそく鼻先をへし折るようなことを言わせていただきます。才能は開発できますが、すべての才能を開発できるわけではありません。開発できない才能もあります。その筆頭が、瞬間記憶力です。持ってないなら諦メロンです。もしかしたらフラッシュ暗算とかで鍛えられるのかもしれませんが、未検証です。

瞬間記憶力の才能がないのは誠に遺憾ですが、それほどイカンことでもありません。なぜなら、レア過ぎる才能だからです。私はまだ、瞬間記憶力を持つ人に出会ったことがありません。周りの東大生の記憶力は「意外と普通だな」と感じましたし、全国1位の人でも瞬間記憶力は保有していませんでした。だから安心してほしいのです。みんな持っていない才能なのだから、自分が持っていなくても学力に差は出ません。潔く諦めて、別の才能を伸ばすのが吉です。

才能タイプB2. 長期記憶力

長期記憶力とは、一度覚えた学習内容を時間が経っても忘れない才能です。瞬間記憶力と違うのは、覚えるまでに時間をかけていいという点です。瞬間記憶力ほどレアではないですが、長期記憶力の才能を持っている人は、あまり多くないと思われます。少なくとも「この人、先天的な長期記憶の才能すげぇな!」と驚かされた経験が私にはありません。

ただ、瞬間記憶力と違って、長期記憶力が素晴らしく発達しているように見える人は、東大にたくさんいました。クイズ王、理論物理学者、鉄道愛好会などは顕著ですが、だいたいの東大生は、長期記憶力が優れているように見えます。彼らは記憶を留めておくコツをよく心得ており、脳の力に頼るのではなく、記憶する技術によって、後天的に長期記憶力を高めています。つまりエセ才能です。

長期記憶力のエセ才能を伸ばす技術としては、①エビングハウスの忘却曲線で知られる定期復習、②マインドマップに代表される知識同士の関連性強化、③円周率暗記で有名な語呂合わせ、④イラストを描き加えるなどの視覚的情報付加、⑤声に出すなどの身体活動付加、⑥人に教えるなどの自分事化、などがあります。たぶんどこかで聞いたことがある方法ばかりだと思います。

長期記憶力のエセ才能が優れている人は、特殊な記憶法を使っているのではなく、皆が使っている記憶法の使い方が上手いです。これはトレーニングで鍛えられるので、鍛え方をお伝えします。

長期記憶のコツをシンプルに言えば「時間差反復」「特徴付加」です。

「時間差反復」を説明します。例えば毎日2時間勉強するのであれば、今日は英語を2時間、明日は社会を2時間、明後日は理科を2時間…という風に一教科を長時間勉強するのは(記憶という観点では)愚策です。そうではなくて、今日は英語を30分+社会を30分+理科を30分+数学を30分で合計2時間、明日も同じように1教科30分ずつ合計2時間、という風に、ちょっとずつ時間差(日にち差?)をつけながら勉強するのがよいです

重要なのは時間差をつけて反復することです。30分でササッと全体を勉強し、次の日の30分で同じ範囲を復習します。こうすると記憶に定着しやすくなります。単語カードを活用し、短いスキマ時間を使ってこまめに暗記するのもお勧めです。スイッチのように教科を切り替えながらスキマ勉強するので、全力で少年だった私は、スキマスイッチ勉強法と呼んで愛用しています。このように、勉強時間を小分けにするトレーニングをすると、長期記憶力のエセ才能が向上します

続いて「特徴付加」を説明します。抽象的な説明で恐縮ですが、人間の脳は、対象そのものではなく、特徴を記憶しています。たとえば、その辺を普通のオジサンが歩いているとします。今まで食べたパンの数を覚えていないように、凡百のオジサンの顔と服装を覚えるのは難しいです。ところが、そのオジサンがウサ耳をつけて歩いていたらどうでしょうか。一発で覚えられるはずです。「ウサ耳」という特徴を付加することで、普通のオジサンが記憶に定着します。むしろオジサンが普通であるほど記憶に残ります。ウサ耳をつけて歩いているオジサンは変な人であってほしいです。普通のオジサンがウサ耳をつけていたら恐ろしいです。

このように、情報量が増えたはずなのに、かえって覚えやすくなることがあります。この技法を特徴付加と私は呼んでいます(別名:ウサ耳オジサン法)。

マインドマップは「関連性」という特徴を付加します。語呂合わせは「語呂」という特徴を付加します。特徴は記憶に残りやすく、特徴さえ覚えておけば、その他の部分は芋づる式に思い出せます。犬夜叉は、妖気と妖気がぶつかった風の裂け目である「風の傷」を見極め、一振りで100の妖怪を薙ぎ払いました。これと同じように、急所となる「特徴」を見極めることで、100倍の情報を楽に記憶できるようになります。よって、特徴という少ない情報量だけを記憶するトレーニングをすれば、長期記憶力のエセ才能が向上します

特徴を見極めるトレーニングと言われてもイメージしづらいと思います。もう少し例を出してみましょう。変な自慢になりますが、私はトランプの神経衰弱で負けたことがほとんどありません。これは私の記憶力が優れているからではなく「神経衰弱の必勝法」を本で読んで知っているからです。

必勝法はこうです。カードを自分の左手前から順番にめくります。出てきたカードが「1, 5, 3, 6, 9, 7, 2, 4, 10…」だったとします。その場合、私は「苺ミルクなにしてん…」と記憶します数字のひらがな頭文字を上手いこと繋げて瞬時に語呂を作るのです。慣れると簡単に出来るようになります。そして「苺ミルクなにしてん、苺ミルクなにしてん、…」と頭の中で反復してつぶやき続けます。普通の人はカードの場所と数字を覚えると思いますが、私は左から順にめくるので場所を覚える必要がありません。数字も「語呂になる頭文字」という特徴を抽出して覚えるので忘れにくいです。よって、自分がめくったカードは確保できるようになります。これだけで大抵の人には負けなくなります。

これは語呂合わせの例ですが、何事にも特徴を付けてみるのが良いトレーニングです。自分なりのネーミングを付けるのもよいです。さきほど「スキマスイッチ勉強法」というふざけた事を言いましたが、あれは半分はマジでした。スキマスイッチ勉強法と言われたら「ああ、スキマ時間に反復するのがいいんだったな」と思い出せるはずです。ネーミングが無ければ思い出すのは結構難しいものです。

以上、「勉強法ソムリエひろし」というセンスのかけらもないネーミングを自分に与えたブロガーによる、説得力ゼロのネーミング講座でした。

才能タイプB3. 言語化能力

言語化能力とは、学んだ内容を「自分の言葉で言い換える」才能のことです。別の言い方をすると、ノートを使って考える才能です。自分の頭だけではなく、ノートも使ってモノを考えられるようになると、学力は飛躍的に伸びる…のではないかと周りの人を見て私は思いました。

例えば、世界史の先生が「1077年、ハインリヒ4世 カノッサの屈辱。1085年、ローマ教皇グレゴリウス7世が憤死」と黒板に書いたとします。当時高校生だった私は、この文言をそのままノートに写し、先生の話を聞いていました。話のうまい先生だったので、楽しく授業を受けたのですが、世界史の点数は散々でした。今思えば自分の頭で考えていなかったです

以下の文章をノートを書けば良かったのではないかと思います(私の貧弱な例文で恐縮ですが…)。

1085年、ローマ教皇のグレゴリウス7世が憤死したらしい。憤死?憤死って何だ?先生は「怒りすぎて死んだから憤死」って言ってた。いやいやいや。怒っただけじゃ死なないっしょ。怒りすぎて頭の血管が切れたとか?じゃあ「グレゴリウス7世、脳出血で死亡」でいいじゃん。まてよ、1085年か。当時は、脳出血なんて病名がなかったのかもしれないな。だからきっと側近的な人が勝手に決めちゃったんだ。「なんか親分、怒りながら死んじゃったっす。死因どうするっす?え?憤死?あー、いいっすね。それにしよっす」ってノリだと思う。そうに違いない。可哀想なグレゴリウス7世。憤死なんて恥ずかしい死因つけられて。歴史の晒し者だよ。同情するね。思春期ならあの世でグレてもおかしくないわコレ。あの世でグレごりうすだわ。あ、いい覚え方かも。それにしてもなんで死ぬほどキレちゃったんだろう? Wikipediaに書いてないかな? あ、書いてた。要はハインリヒ4世と喧嘩してキレたのか。最初はローマ王のハインリヒ4世が調子にのって、手下たちを司教に任命したらしい。そしたらグレちゃんが「いや、司教の任命権持ってんの俺だから。勝手なことすんなし」って怒ったのね。でもグレちゃんもやり過ぎて「ハインリヒくんは皇帝から破門しちゃおっかなー」ってほのめかすもんだから、ハインリヒ4世も負けじと「じゃあグレゴリウスくんの教皇を廃位しちゃうもんねー」って泥沼になったのね。子供の喧嘩か。そんでハインリヒ4世が嫌々ながらグレゴリウス7世のお家(カノッサ城)に行ってごめんなさいしたのね。ハインリヒくんのごめんなさいが雪の中裸足で断食するというストロングスタイルだったから、グレゴリウスくんも「さすがにやりすぎた」と反省して皇帝の破門を取り消したのね。でも、めでたしじゃなくて、ハインリヒくんは相当悔しかったみたい。だから「カノッサの屈辱」って言うんだって。これが1077年か。そんで8年後(根に持ってんなー)、ハインリヒくんがグレゴリウスくんにまた喧嘩をしかけて、負けたグレゴリウスくんが憤死したと。なるほど。

これが「ノートを使って考える」作業であり、言語化能力です。私が授業を受けた当時も「グレゴリウス7世が憤死した」と聞いたとき、頭に違和感が浮かんだと思います。ですが、憤死ってなんだ?と頭で考えただけでは、すぐに疑問が消えてしまいます。人間の頭は思考するのに向いていないツールなのです。頭に浮かんだことを「考え」に発展させるには、浮かんだ感情を言語化して、ノートに書き出す必要があります。ノートに言語化された文章を読み直すと「あ、自分ってこんな風に考えてたのか」と分かるようになります

この「ノートを使って考える」作業を行った最高峰はエジソンだと思います。エジソンがノート3500冊分のメモを残したのは有名な話です。そのメモを読んでみると、客観的事実だけではなく、かなり細かく「自分はこう思う」という考えを書き残しています

また、私は優秀な物理学者の実験ノートを見せてもらったことがあります。こちらも実験事実だけではなく「◯◯なのではないか?」といった自分の考えが多数書き残されていました。

このように私が「頭がいいなぁ」と思う人は、ノートを補助ツールとして、考えを言語化しています。ノートに書き出すことを習慣としており、それが言語化能力のエセ才能を鍛えるトレーニングになっているのだと思います。

才能タイプB4. 内容理解力

内容理解力とは、一を聞いて十を知る才能です。同じ授業を聞いても、飲み込みが早い人がいます。才能タイプB3「言語化能力」は飲み込んだ内容を言語化する話でしたが、内容理解力は、学習内容を飲み込んで理解するまでのスピードの速さを指します。

内容理解力が高い人は何が優れているのでしょうか。私はコード化ではないかと思っています。コード化は、岡本浩一さん著「上達の法則 効率のよい努力を科学する」に出てくる概念です。

例えば「牛乳と卵とグラニュー糖の混合液を、160℃のオーブンで30分蒸し焼きにした後、冷蔵庫で冷やすとできあがるお菓子を買ってきて」と言われたら頭が痛くなると思います。しかし、これが「プリン買ってきて」だったらどうでしょうか。簡単に理解できると思います。

このように長くてややこしい情報を「プリン」という1つの概念として整理することをコード化と言います

ちなみに、プリンのような情報のまとまり単位をチャンクというので、メンタリストのDaigoさんはコード化のことをチャンク化と呼んだりしますが、要は同じことです。

なぜ「牛乳と卵とグラニュー糖の…」という説明よりも「プリン」と短くまとめた方が理解しやすいのでしょうか。それは人間の脳の記憶容量が関係しています。人間が短期間に記憶できる情報(チャンク)の数は、7〜9個しかないと言われています(4個と言う人もいます)。

牛乳・卵・グラニュー糖・160℃・オーブン・30分・蒸し焼き・冷蔵庫・お菓子という情報は、全部で9個です。ギリギリ覚えられるかもしれませんが、脳はパンパンになります。1つでも情報が増えたらアウトです。プリン・ア・ラ・モードを買ってきてというリクエストに発展すると理解できなくなるでしょう。

一方、プリンという概念を知っていれば、情報量は1個になるので、脳の記憶容量に8個分の空きができます。8個分、他の情報を理解しやすくなるのです。

コード化された情報の塊(チャンク)はプリンに限りません。「因数分解」のような手順の塊もチャンクですし、「水兵リーベ僕の船」のような元素記号の覚え方もチャンクです。というか基本なんでもチャンクです。

チャンクチャンクと連呼すると良く分からなくなるので、以下ではチャンク(情報を束ねた概念、意味の塊)のことをプリンと呼びましょう。

普段からコード化を行い、プリンをたくさん持っておけば、頭の中の記憶スペースに余裕ができるので、内容理解力は自然と鍛えられます。コード化は、新しい概念を理解したときに行われます。よって、勉強のコード化をしたいなら、とにかくたくさん勉強して、情報を頭に詰め込みなさいという結論になります。

しかし、ただ暗記して詰め込めばいいかというと、そうではありません。レシピを暗記してプリンを理解するよりも、実際に一口食べて「これがプリンか」と体験した方が、はるかに脳に刻まれやすいです。これと同じで、因数分解だったら、理論を暗記する前に、とにかく問題の数をこなして「これが因数分解か」と体験するのがいいと思います。その方がしっかりとコード化でき、内容理解力が高まります。

おそらく内容理解力の才能がある人は、単純暗記するのではなく、コード化しよう、体験してみよう、という習慣がついているのだと思います。その結果、体の中がプリンだらけ、つまりプリン体になるから強いのです。よって、内容理解力のエセ才能を開発したいなら、コード化するぞ、という気持ちで問題集を「数こな」してプリンを増やすのがよいと思われます。

ここまでのまとめ、と次回予告

今回は勉強の才能について考察しました。勉強には才能が必要ですが、才能は後天的に伸ばせます。そのためには才能をタイプ別に分け、才能の正体を知り、伸ばすための戦略を練ることが大事です。この記事では、才能タイプB1~B4を考察しました。B1.瞬間記憶力は、伸ばせない才能なので早めに諦めるのがよいです。B2.長期記憶力は、スキマスイッチ勉強法とうさ耳オジサン法で伸ばすことができます。B3.言語化能力は、ノートに自分の考えを書き出す習慣をつけると伸ばせます。B4.内容記憶力は問題をとく体験を積むことで、概念のコード化をたくさん作れば伸ばせます。

次回は、才能タイプB5~B8について考察します。

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