視力とドンキーコング、どっちが大事なの?

コラムの第3回。

昔、ふと「なんで目だけこんな弱いねん」と考えたことがあります。

耳が遠くなる。味覚が変になる。匂いがあんまりしなくなる。これらの状態異常に比べて、視力が低くなる確率が高すぎやしないか、と思うのです。

そんなことを言うと、「視覚は情報の80%を担ってるから負担が大きいんだよ」と、教えてくれる人がいます。

なるほど。いや、それなら目玉2個じゃ少なすぎます。せめてスペアください。スペア。

だって、考えてみてください。歯は32本もありますよ。

それに、乳歯が虫歯になってしまっても、「くくく。そいつは影武者だ」とばかりに永久歯が出てくるじゃないですか。これだけ歯のサポートが手厚いのに、目玉は2個。少ないですって。どうなってんねん、人体。

かくいう私は、目が悪い側の人間です。

普段はコンタクトをしています。裸眼だとボワーっとして全然見えません。阿藤快さんと加藤あいさんの区別もつかなくなるくらい見えません。不便だなあ~、なんだかなあ~、と思っています。

私は小学生のころからずっと目が悪いので、目がいいという感覚が、もはや分かりません。さぞ快適なんでしょうね。

だって、朝起きた瞬間にメガネ探さなくていいでしょ? 銭湯で迷子にならないでしょ? 露天風呂の景色が楽しめるでしょ? 眼科にコンタクトの処方箋もらいに行かなくていいでしょ? 

いいなぁ~。

うらやましい。でも、実をいうと、私にうらやむ資格は無いんですよね。私の目が悪いのは、自業自得というか…。遺伝とか勉強とかではなく、ただただゲームをやりすぎただけなのです。

きっかけは小学2年生のときでした。

私の住んでいた家には父の自室がありました。いつも鍵が掛かっていました。鍵がかかっていると、中がすごく気になるものです。どうなってるんやろ、と思っていました。

ある日、ドアが少し開いているのを見つけました。

「カギ空いてるやん!」

私と兄は大興奮。ドアのすき間を除くと、本がドワーッと積んでありました。すげぇ、宝の山やん、と思いました。もちろん部屋に侵入しました。

「なんだこれ!」

見つけたのはスーパーファミコン。鉄道オタクな父が、夜な夜な「電車でGO!」をやるために、購入したいたみたいです。こんな楽しそうなものを隠していたなんて。

父さんばっかりずるい!と抗議し、私と兄でスーファミを占領しました。

その後、父が罪悪感を感じたのか、それとも私たちの圧力が強かったのか、忘れてしまいましたが、子供用のゲームソフトを買ってもらえることになりました。

初めて買ってもらったソフトは、スーパードンキーコング2。今でも語り継がれる神ゲーです。これは運命的な出会いでした。

とにかく曲がカッコよかった。

デビット・ワイズさんというイギリスの作曲家がBGMを作られたのですが、スーファミの少ないメモリーで、よくあれだけ奥ゆかしく、グルーブ感のある曲を生み出せるものだと感心してしまいます。とげとげタル迷路なんて何度聞いたことか。ゲームの世界に没頭できる、素晴らしい曲でした。

私はドンキーコングにのめり込みました。

毎日何時間もやってると、だんだんプレイも上達するもので、自由自在にモンキーを操作できるようになりました。しかし、モンキーの自由を得る代わりに、私は視力を生贄に捧げてしまいました。

ある日の学校の視力検査で、あれ?みえないぞ、となりました。「あなたの視力はCです」先生が言いました。

はたしてCが何かは分かりませんでしたが、でも何か恐ろしいものだと理解し、周りに言われるままに眼科に通いました。変な風船の絵を見たり、眼筋を緩める点眼液を使ったりするようになりました。

もちろん「ゲームはダメ」だったのですが、守るはずがありません。だって楽しいんだもの。そして、小学四年生の夏休み前。眼科の先生に呼び出されることになります。先生が怖い顔で言いました。

「ここで頑張らないと、一生目が悪くなるよ」

えっ! 私はビビりました。

小学四年生に「一生」という言葉の重みは凄まじいものがあります。先生の威圧感もあいまって、泣きそうになりました。

私の近視は、もうかなり進行してしまっているようでした。もう視力回復の見込みが薄いところまできていて、眼筋が固まりかけだったそうです。

間が悪い。

というのも、そのときは、新しいゲームを買ってもらったばかりだったんです。カブトムシ型ロボがレースをするアニメ「メダロット」が流行っていて、親がメダロットのゲームを買ってくれたことの嬉しかったこと。

夏休みは思う存分プレイできると思っていたので、絶望です。

ワンチャンいけるか、と思い「ゲームやりたいんですけど…」と聞いてみると、お医者さんは「絶対にダメ」と言いました。かなりハッキリ言っていました。

私は悩みました。視力をとるか。ゲームをとるか。頭に「一生」というワードが、ずーんとのしかかってきます。ここは絶対に間違えてはいけない一手。

選択肢なんて、初めから決まっています。

メダロットするっしょ。

私は最高の夏休みを過ごし、メダロットをクリアし、視力を決定的にダメにしてしまいました。完全に自業自得です。なんでメダロットやっちゃうかなあ(笑)

まあ、あれだけゲームをやったのだから、いま目がわるいのには諦めがつきます。その点では、いい経験だったなと思います。

以上、ゲームに目がねぇくて、眼鏡になった話でした。

追記:なんと!お笑い芸人・カミナリさんのYoutubeチャンネルで、ドンキーコングの音楽がフィーチャーされていました!たくみさんのドンキーコングへの愛が深い!しかも、イギリスまで行って作曲者のワイズさんに会ってくるという。ドンキーファンとして、この映像が見れて嬉しすぎます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました