ミニマリストに学んだ、人に片付けをさせる平和的解決法

コラムの第8回。

今回のテーマは「人に片付けをさせる方法」である。

過去記事で述べたとおり、私はミニマリスト競技歴3年である。ミニマリストという競技には、男子シングルスの他に、男女混合ダブルスや、三世代混合ミックス等がある。大家族ともなればラグビーができるくらいの人数で片付けをすることになる。つまり、ミニマリストはチームスポーツなのである。

多くの部活動がそうであるように、情熱が強いチームメンバーもいれば、そうでない人もいる。家族に対し、片付けへのやる気がないと感じたとしても「何で片付けしないの?」とキツくあたろうものなら掴み合い上等。本物ラグビーに発展する可能性がある。家族の卒業アルバムをゴミ箱にトライしても得点は得られず、信頼関係を失点するだけである(私はしたことが無いが)。

ミニマリストのゴールは「キラキラした丁寧な暮らし」を手に入れることだ。しかし、その過程で家庭がギスギスしてしまうのは避けたい。私のように人を苛立たせる才能を持って生まれた場合、よほど気を使って片付けをしない限り、家族に不快感を与える可能性が高い。

家族の名誉のために言っておくと、私の家族は片付けができない訳ではなく、むしろ一般的に見れば、綺麗好きなカテゴリーに入る人たちである。私が異常に潔癖なせいで「ここ片付けてほしいなぁ」という気持ちを抱いてしまうのである。こんなとき、どうしたらよいだろうか。

片付けのことは片付けのプロに聞け、ということで、有名なミニマリストの本を読み漁った。「わたしのウチには、なんにもない。」の著者ゆるりまいさんが、家族に片付けをしてほしいときの、優しい解決方法を提示していたので紹介したい。

ずばり「片付けは伝染する」というものだ。

ゆるりまいさんによると、家族が片付けをしないとき「片付けをしろ」と働きかけると、言い方がどうであれ、どうしてもギスギスしてしまうらしい。ゆるりまいさんは、その反省から「片付けをしろ」と一切言わないように心がけ、黙々と自分の片付けだけに集中するようにしたそうだ。そうすると不思議な事に、まるで片付けが伝染するように、家族が自発的に片付けをするようになったとのことである。

おそらく、ゆるりまいさんの家族にも心のどこかでは「片付けをしたほうがいい」という思いがあったのだろう。「片付けをしろ」と頭ごなしに言われると「今しようと思っていたのにやる気を失った」と反抗したくなるものだが、隣で黙々と片付けされると、自分もやってみるかという気になるものだ。人がポテチを食っているとご相伴に預かりたくなるアレと同じ現象だろう。

片付けを伝染させる解決方法は、優しいだけでなく、効果も高いと思われる。デール・カーネギーさんが書いた伝説的な自己啓発書「人を動かす」には「人は重要感を与えられると自発的に動く」と書かれている。ゆるりまいさんの例に当てはめれば、家族に口出しせずに見守る態度が「あなたのことを重要に思っている。だから、あなたのタイミングで、もし片付けしたくなったらやったらいいよ」という無言のメッセージとなり、家族の自発的な片付け行動を引き出したと考えられる。実に理にかなっている。

片付け伝染説を知って以来、私は人に「片付けろ」と言う代わりに、その人の横で自分の片付けをするように心がけている。これは子育ても同じである。子どもがおもちゃを出しっぱなしにしていると、やっぱり腹が立つ。しかし、そこで「片付けなさい!」と叱っては逆効果なのだ。

子どもの目線に立って一緒に片付ける、または親が率先して片付ける姿を見せてあげる。これが大事なのである。そうすれば、子どもの中にある「片付けをしたほうがいい」というピュアな心が刺激される。その結果、驚くくらい片付けをしてくれなくなる。いくら背中で語っても一向に片付ける気配がない。片付けやすいレイアウトを工夫しても片付けない。何をやっても片付けない。結局「片付けなさい!」と叱る日々である。解せない・・・。

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