読書感想1. 「シンプルに生きる」ドミニック・ローホー

読書感想の第1回。

会社の先輩にすすめられ、2018年2月から本を読み始めた。蟻が杖をついて歩くペースでゆっくりと読んできたのだが「継続とはパワー」と言われるように、気付いたら読書数が400冊を超えていた。私のような雑魚にしては、よく続いたものである。400冊も読んだのだから、さぞ頭が良くなったに違いない。

本を読みながら、心に残った文章をノートに書き写していた。どれだけ多くを学んだのだろうかとワクワクしながらノートを振り返ってみたところ、愕然とした。読んだ内容をまるで覚えていないのだ。矢沢がアメリカでプレーする映像をみたとき、安西先生は「まるで成長していない…」とこぼしたが、まさにあの感想を自分に対して抱いた。

だが、覚えていないものは仕方がないし、本の中身を忘れるのも悪いことばかりではない。新鮮な気持ちでもう一度内容を振り返れるという利点がある。ということで、過去の読書ノートを振り返りながら読書感想を復習をすることにした。子供が夏休みの最終日に読書感想文を捏造する感覚に近い。

以後、読書感想を書いていくが、皆様にいくつか注意事項がある。

1.本読書感想は私の思い出フィルターがバリバリに入っている
2.引用文が正確でない可能性がある
3.作者の意図と違う風に私が読み取っている可能性が高い

とても失礼な話だが、ほとんどの本を図書館で借りて読んでいたので、Kindleで買ったもの以外は手元に残っていない。しかも引っ越したので同じ本を借りられない。そのため、読書ノートに書き写した文章が、元の本と一言一句同じであるという保証がない。本当に申し訳ない。当ブログの読者の皆様には、私の読書感想は「ざこべんの二次創作である」くらいの感覚でご覧いただきたい。

さて、前置きが長くなったが。本を紹介していく。

本の概要

・主題:シンプルに生きる 
・副題:変哲のないものに喜びをみつけ、味わう
・著者:ドミニック・ローホー
・出版社:幻冬舎
・出版年:2010年
・頁数:182ページ

要約:
フランスで40万部のベストセラーとなった「ものを持たないライフスタイル」の解説本。著者はフランス生まれで日本在住歴30年。アメリカで禅に出会ったことで「人生が変わった」と豪語する著者が、シンプルに生きることをグイグイ勧めてくる。だが、それがいい。
この本を読んだ理由

ネガティブに足が生えて歩いていると言ってもいい性格の私は、人生に関する「具体的ではない大きな悩み」を抱えながら生きていた。すがれるものなら何でもいいと思っている中「ミニマリストしぶのブログ」を偶然知り、至極当然な流れで、ミニマリストという考え方に傾倒するようになった。「ミニマル」や「シンプル」というワードを体内に摂取するだけで、心が安定する気がした。本当に何でもいいという気持ちで、図書館にあった本を手当たりしだい読むようになった。この本もその一つである。

偉そうな読書感想

初めて読んだミニマリスト本は、ゆるりまいさんの「なんにもない部屋の暮らしかた」であった。そして、今回の「シンプルに生きる」は、私にとって第二冊目のミニマリスト本にあたる。

ゆるりまいさんは「視界をスッキリさせたい病」を患っているミニマリストである。彼女の本は、何もかも捨ててしまおうというLOVE PHANTOM精神にあふれており、とにかくガラーンとさせたいんだ!という気持ちが伝わってくる。モノから受けるストレスを極限まで減らしたいという立場でミニマリズムが語られていた。

一方、ドミニック・ローホーさんも、モノを減らす指南をするが、どちらかというと「残したものを大切にしましょう」という立場でミニマルなライフスタイルを語っていた。ただ少なくするだけではなく、持ち物を上質にすることを勧めていた。その根底には「お気に入りのものだけに囲まれれば平穏に暮らせるに違いない」という彼女の思想がある。

…などと、本を解説してみたが、私のような雑魚が偉そうに本を語るのはお門違いということに気が付いた。この本の内容を理解したいなら、私のしょぼいブログを通した二次情報に触れるのではなく、Kindleなり図書館なりで本そのものを手に入れて読んだ方が絶対にいい。よって、本の解説はやめる。

雑魚は雑魚なりに「すげー!ドミニックさんパネッす!」と感動したところを正直に語るのが筋だと思う。よって、私が脳汁を漏らした文章を引用しつつ、感想を漏らしていこう。

日本人の持ち物は6000個

ある有名な写真家が世界中を巡って調査した結果、住民ひとりあたりの所有物の数の平均は、モンゴルで300個、日本では6000個だったそうです。

ドミニック・ローホー著「シンプルに生きるー変哲のないものに喜びをみつけ、味わう」幻冬舎(2010年).

「自分の持ち物」は不可算名詞だと思っていたが、どうやら数えることができるらしい。モンゴル人と比べるのはずるい気もするが、6000個という数字のインパクトは強烈である。このフレーズだけで「ものを捨てなければ!」という気持ちが一気に高まり、断捨離3回は余裕でいける。

だって6000である。現ナマで6000円あげますよと言われれば喜んで飛びつくが、私の持ち物6000個あげますよと言われると処分にすごく困る。当時の私の持ち物は2兆個くらいあったので2兆6000個になってしまう。

シンプル主義は高くつく

ほどほどに良いもの、ほどほどにお気に入りだったものは処分し、完璧なものと取り換えること。たとえ、それが浪費と映っても躊躇しないことが大切です。シンプル主義は高くつきます。

ドミニック・ローホー著「シンプルに生きるー変哲のないものに喜びをみつけ、味わう」幻冬舎(2010年).

10代のころ、私は「無印良品」をノーブランドだと勘違いしており「なんでシンプルなのに高いねん」と悪態をついていた。あれから15年の時を経て、その答えにたどり着いた。シンプル主義は高くつくのだ。

シンプル・イズ・ザ・ベストという言葉があるように、シンプルなモノは究極完全態なのである。シンプルなんだから安いというのは幻想であり、究極完全態に至るまでにはコストがかかるものである。究極完全態グレートモスだって、弱小モンスターであるプチモスを10ターンも自分のフィールドに維持するという助走がなければ召喚できない。

無印良品さんも、シンプルさを追求するために企業努力しているのである。だから高くて当然だ。そして、それは自分の持ち物にも言えるのだろう。私の究極完全態なコーディネートは全身ユニクロであるが、このシンプルさの極みに到達するまでにもコストが掛かった。それまでスーパーマンTシャツを愛用していたからだ。

スーパーマンTシャツがクタるまで着続けるか、(ユニクロ様が低価格とはいえ)買い替えにお金を払うのか。非常に悩ましい選択であったが、ほどほどお気に入りだったスーパーマンに引導を渡し、浪費と映ってでもユニクロ(至高)にコスチェンしたのは正解であった、と今は思っている。

安物買いの銭失い

ある高級カバンメーカーの販売担当者に言われたことがあります。「法外と思えるほどの高い大きな買い物よりも、度重なるガラクタ買いのほうが、結局は高くつく」と。

ドミニック・ローホー著「シンプルに生きるー変哲のないものに喜びをみつけ、味わう」幻冬舎(2010年).

日本には「安物買いの銭失い」という言葉がある。安いからという理由で買い物をすると、壊れたり、気に入らなくなったりして、結局買い直すはめになり、たくさんのお金を失う、という意味のことわざである。同じ意味のことわざが海外にもある。英語では「Penny wise and pound foolish」といい、フランスでは「Bon marché tire l’argent de la bourse.」と言うらしい。

上質で良いものを買うことによってしか、本当の満足は得られない。分かっていてもなかなか実行できないものである。買った直後は「安くて得した!」とウキウキになるが、3年くらいたって「このガラクタ誰が買ったんだ?」と後悔することは多い。その点で言えば、私は友人に「3万円でお洒落なコーデを選んでほしい」とお願いされたとき、奇跡的に素晴らしい提案をしたことがある。

あれは大学2年のときだった。上述のように、私は親友から全身コーデを選んでほしいと頼まれた。冷静になれば「スーパーマンTシャツを着てるやつに頼むことではない」と気付けるはずだが、当時は私も親友も冷静ではなかった。

大学2年生にとって3万円は大金である。今の日本円に換算すると1億円くらいの価値がある。その1億円をどうしたかというと、私は「マリテフランソワジルボー」というおフランスブランドのジーンズ1本につぎ込ませた。「全身選んでほしいんだけど」という親友の反対意見を黙殺し「いいジーンズが1本あれば全てが解決するから」と押し切った。

その後の感想は怖くて聞けていない。あの1億円が彼の全財産だったとすれば、彼は全身の服を買うべきお金でジーンズ1本を手に入れた訳だ。よって、ノーパン&上半身裸でジーンズだけを身に纏うことになる。ファイトクラブのブラピが同じコーデをしていたので大丈夫だ。たぶんお洒落だ。

シンプルな生き方と仏教

わたしたちが他人にしてあげられることはただひとつ、わたしたちの生き方を通してまわりのひとたちがシンプルで自発的な考え方ができるようにしてあげることです。あらゆる欲求から、自分の気持ちを切り離すこと。その訓練を積むことができれば、その後の人生は素晴らしいものになるでしょう。

ドミニック・ローホー著「シンプルに生きるー変哲のないものに喜びをみつけ、味わう」幻冬舎(2010年).

ドミニックさんの言う「シンプルに生きる」とは、執着を捨て、美徳に従って生きることである。仏教でいう解脱(悟り)と似た状態だと思われる。「モノを減らす」は悟りに向かう手段の一つに過ぎない。モノを減らし、本当に好きなモノに向き合うとこで、暮らしがシンプルに洗練されていき、執着もなくなっていく。とドミニックさんは考えているのだと思う。そういうシンプルな生き方の模範となることで、周りを感化できれば素晴らしい。

この考え方は、釈迦やガンジーと共通している。知らない人のために説明すると、釈迦は人類最古?のインフルエンサーである。ブッダというハンドルネームで2500年以上もSNS(死んだ後のNextソウルソサイエティー)をにぎわせ続けている大物インフルエンサーである。釈迦に感化された人々が今なお念仏を唱えている。ちなみに釈迦は死後の世界とか曖昧なものに言及しておらず、現代の念仏仏教は全部後付けらしい。

「シンプルに生きる」は現代版の出家なのだと思う。キラキラした丁寧な暮らしを目指しているように見せかけて、実は心の中では、執着のない平穏な解脱ライフを目指している。と私は雑魚なりに解釈した。

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