頭のいい人は上手に休憩をとるけれど、私のような雑魚が休憩していてはダメだ

今回のテーマは「休憩」です。

藤吉豊・小川真理子著『「勉強法のベストセラー100冊」のポイントを一冊にまとめてみた。』によると、おすすめな勉強法の第三位は「上手な休憩で学びの質を上げる」だそうです。頭のいい人は、適度に休憩をとりながら勉強をしているのですね。

なぜ休憩が大事なのか?

突然ですが「アイシールド21」をご存じでしょうか。高校アメフト部をモチーフにした伝説的なスポ根漫画です。2002年~2009年にかけて滞空時間が長そうな名前の週刊少年誌で連載されました。アメフト部主将のヒル魔が、甘い罠と脅迫を駆使して部員を集め、クリスマスボウル(高校総体決勝)を目指す物語です。

集めた部員は素人ばかり。パシリで俊足を鍛えたランニングバック。野球部崩れのキャッチモンキー。ガリ勉ハゲ。ハァハァ言うだけの不良。どうやったら勝てるんだ?というメンバーを抱えながらも、努力と根性、そしてヒル魔の卑怯戦術で勝ち上がっていきます。

ジャンプの醍醐味といえば修行です。アイシールド21ではデスマーチと呼ばれる修行を行います。修行の内容は、トラックを押しながらアメリカを横断するというウルトラクイズ精神に溢れるもの。文字通り死ぬ思いをした部員たちは、基礎体力と根性が飛躍的に向上します。

そして迎えた高校総体の1回戦。対戦相手は網野(アミノ)高校。「効率のよい努力を科学する」をテーマにした学校であり、適度な休憩とアブナイお薬によって人工的に作り上げられた「ボディビル選手のような筋肉とパワー」を持つ相手選手たちに、ヒル魔たちは圧倒されます。

しかし、休憩してきた相手にやられるのは胸糞すぎると作者は考えたのでしょう。最後にはトラックを押し続けて養った持久力と根性で勝つ、という結末が待っていました。

当時、この網野戦を読んだ全国の少年少女が「休憩なんていらんのや。根性が大事なんや」という脳筋思考に陥りました。私もその一人でした。が、大人になっても読み返すと、ヒル魔たちも適度な休憩を取り入れているシーンがあることに気づきました。

たとえば「2日徹夜した後に1日休憩を入れる」というもの。これは筋肉が成長するメカニズムに則った効率的な休憩法です。

筋力トレーニングを行うと、筋肉の繊維に小さなキズが入るのですが、約24時間たつと回復し、前よりも少し筋繊維が太くなります。これを超回復と言います。超回復を繰り返すと、筋肉が徐々に太く強くなっていきます。筋肉は、死ぬと強くなるシャーマンキングみたいな奴なのです。2日徹夜してトラックを押した後の筋肉は、ゴーレムに胸を貫かれたチョコラブくらい死んでいるので、1日休憩をはさんで蘇生する必要があったのですね。

もし筋肉が回復しきる前にトレーニングをしてしまうと、筋肉が太くなる前に傷ついてしまうため、筋力が増えないそうです。よって、スポーツにおいては、休憩が大事と言われています。

これは勉強にも当てはまります。筋肉を休ませると強くなるように、脳みそも休ませると強くなるのです。

すごい人の休憩法

賢い人達はこぞって「勉強するときは休憩をはさめ」と言います。それには二つの理由があります。

・集中力は続かないから。
・記憶に定着しやすいから。

第一の理由は、集中力の持続性です。人が集中できる時間には限りがあり「15-45-90の法則」というルールが知られています。これは、深い集中を継続できる限界が15分、学校の授業くらいの集中なら45分、人間の集中の限界が90分、であることを表します。ウルトラマンなみに継続力がない私からすると、15分集中できるだけでも羨ましいですが、賢人たちも無限に集中できるわけではないのですね。集中が切れたまま勉強を続けるのは効率が悪いので、休憩を入れて気分をリフレッシュし、集中力が回復させることが重要だそうです。

第二の理由は、記憶への定着性です。私はアイスが好きで、特にスーパーカップが量とコスパを兼ね備えていて至高だと思っているのですが、食べ終わってみると「最初の一口」と「最後の一口」の記憶しか残っていないことが多々あります。途中の味を覚えていないので無駄にカロリーを取っているだけと言えます。それなら小さいアイスでいいはずなのですが、でもやっぱりスーパーカップを食べてしまいます。この現象と勉強は極めてよく似ています。勉強をスタートしたあたりは記憶に残りやすく(初頭効果)、途中で記憶しにくくなり、勉強をフィニッシュするあたりで再び記憶力が高まります(親近効果)。休憩をこまめに挟みながら勉強時間を分散させる学習法を「分散学習」と言うのですが、分散学習は初頭効果と親近効果が多く得られるので、記憶に向いているとされています。

このように、集中と休憩を繰り返すと、勉強の効率が上がるそうです。集中と休憩の割合は人に依りますが、たとえば、ポモドーロ・テクニックといって25分勉強+5分休憩という勉強法を使っている賢人がいます。

すごくない人の休憩法

以上、すごい人達の休憩法を紹介しました。要するに「長時間ぶっ続けで勉強するのはやめて、積極的に休憩を取ろうよ!」という提案でした。これを受け、雑魚を代表して私からひとつ言いたいことがあります。

「なめてもらっちゃ困るぜ」

自慢じゃないですが、休憩なんて、とろうと思えば無限に取ることができます。なんなら言われる前から休憩をバンバンとっています。むしろ休憩しかしていません。私のような雑魚にとって、休憩をどうとるかが問題なのではなく、休憩をとってから、どうやって勉強に復帰するかが問題なのです。そこを履き違えてもらっちゃあ困ります。

前提として、賢人たちは勉強し続けないと死ぬマグロであり、放っておくと膝がぶっ壊れるまで勉強デスマーチを続ける習性があります。だから「たまには休憩しようよ!」というアドバイスが効力を発揮するのです。

しかし、私のように休憩しかしていない逆デスマーチ人間に「休憩しよう」と言ったところで「いや…もうしてますけど…」となり効果がありません。むしろ「もっと休憩した方がいいのか」と変な方向に勘違いして勉強時間をゼロにする可能性があり大変危険です。

よって、私は「なるべく休憩を取らない休憩法」を実践しています。これは私がミニマリストとして片付けに奮闘する中で思いついた休憩法です。

あるミニマリストが提案しているのですが、綺麗な部屋を保つ秘訣の一つに「使いやすさを犠牲にする」という考え方があります。

たとえば、テーブルの上に耳かきを常備すれば、たいへん使いやすく、何時間でも耳を掻けてしまいます。が、見た目はよろしくありません。そんなときは、歯ブラシの横に耳かきの定位置を作るのが有効です。

わざわざ洗面所まで行かないと耳を掻けない状況を作ることで、本当に耳がかゆいときにしか耳を掻かなくなります。また、1日に少なくとも2回は歯磨きをする(と思います)ので、耳かきを片付けるチャンスが、毎日2回訪れることになり、耳かきの出しっぱなしを防ぎやすくなります。

このように「片付けやすさを優先し、使いやすさを犠牲にする」ことで、部屋はグッと綺麗になります。「人間が絶滅すれば環境問題は全て解決するんだから地球が心配なら早くシね」くらい乱暴な理論ですが、間違っていないことも確かです。

この考え方を勉強の休憩法に応用してみましょう。つまり、どうやったら休憩しやすさを犠牲にできるかを考えます。なるべく休憩を取りづらくし、休憩を取ったとしても、簡単に勉強に戻れる環境づくりが大切です。

休憩からの復帰力を養うために、私が気をつけている「しないこと六箇条」を紹介します。

第一条.問題を解き切らない
第二条.難しい問題で終わらせない
第三条.寝る以外の休憩を許さない
第四条.右手を自由にさせない
第五条.嫌いな教科から再開しない
第六条.楽しげな部屋で過ごさない

休憩に入る前は、問題を解き切りません。数学で「あっ!こうすれば解けそうだ」と思ったときがチャンスです。やりかけのまま問題集を閉じ、休憩をスタートしましょう。そうすると、ウルトラソウルのサビ前でカラオケを強制終了されるレベルの気持ち悪さを味わうことができます。休憩中も問題のことが気になって仕方がなくなります。なんなら予定よりも早く休憩を切り上げて勉強してしまおうかとすら思います。しかしまだ勉強しません。焦らして、焦らして、焦らし抜くのです。焦らす時間があるからこそ、さぁ勉強再開だ!となったとき、気持ちよく「ウルトラソゥ!ハァイ!」できるというものです。

休憩に入る前は、難しい問題を解きません。ノーズをほじりながら易しい問題を解きます。勉強を再開するときの心理的ハードルを下げる効果があります。これはドラクエに学んだ知恵です。あれほど楽しいゲームですら、ゾーマにパーティを全滅された直後は放心状態となり、再開する気が起きなくなります。ゾーマの「いてつくはどう」はプレイヤーのやる気まで解除するのです。いわんや勉強の難問で心を挫いてしまうと三日は寝込めます。一方、メタルスライム狩りで経験値をサクサク稼ぐときは、どんなに尿意が迫っていてもコントローラを手放せなくなります。このことから明らかなように、イージーな課題を用意しておくと、休憩からの復帰が楽になります。

勉強の合間の休憩は「寝る」以外を許しません。勉強に疲れる原因には、精神的な飽きもありますが、肉体的な疲れも無視できません。電車内で下痢ピーに襲われて思考力がゼロになった経験をお持ちの方は、頭と体が密接に繋がっていること直腸で理解できるはずです。私くらい気が散りやすい人間になると、少し疲れるだけで簡単に集中力を手放せます。スマホをいじるだけでも疲れるので、思い切って休憩中の行動パターンを「寝る」に限定しました。睡眠時間は1回あたり15分以内。科学的にはパワーナップ(力の出る昼寝)と呼ばれます。私は高校時代(15年前)、塾の自習室でガンガン寝ていました。パワーナップが有名になる前でしたので「なんでこいつ寝てんの?」という冷たい目線に耐えながら寝ていました。あまりに塾で寝るのでホームレス高校生と呼ばれていたとか、いないとか。

休憩中は右手を自由にさせません。全国の中学2年生が左手に包帯を巻いて「ヤツ」を封印するのは思春期の風物詩ですよね。これと似た発想で受験生におすすめしたいのが、右手をシャーペンと共に縛り付けて封印する方法です。「邪気ペン」と名付けたこの方法を使うと、漫画・スマホ・トイレなどの自由が効かなくなるため、勉強→寝る→勉強→寝るの無限地獄に落ちることができます。「くっ。右手が…」と定期的に呟くとさらに高ポイントです。かなりイタいやつになるというデメリットがありますが、なぜそこまでして右手を封印するかというと「とりあえず勉強をはじめられる」からです。不思議なもので、人間は嫌な勉強でも、一度やり始めると意外と続けられることが多々あります。だから、とりあえず始めることが重要になります。

嫌いな教科から再開しない、というのも大切です。先ほどのゾーマ理論と同じで、勉強のハードルをなるべく下げておくと、休憩から勉強に復帰しやすくなります。保健体育が好きなら、試験範囲じゃなくても保健の予習復習をしていいと思います。人体の不思議を学んだ弾みで、数学の不思議に挑戦してみてはどうでしょうか。好きな教科ばかり勉強するのは効率が悪く見えがちですが、私のような雑魚にとっては、勉強時間をゼロにしないことの方が大切なのです。

楽しげな部屋で過ごさない、というのも休憩を長引かせないコツです。誘惑に打ち勝つ意思力がない私は、誘惑のない空間でしか勉強ができません。試しに漫画喫茶で勉強してみると違いがよく分かります。世界史の教科書を読んでいると思ったら、横山三国志だったというのはよくある話です。自分でも気づかぬうちに漫画を読んでいます。誘惑のない場所とは、たとえば図書館、塾の自習室、カフェやファミレス(長居は困難)などです。ちょっと酸素が薄いのが難点ですが、精神と時の部屋もおすすめです。

以上のポイントをおさえることで、田舎の商店街くらい無期限休憩している状況を、ハンターハンターの連載くらいの休憩頻度に改善できることでしょう。

まとめ

すごくない休憩法を紹介しました。デフォルトが休憩状態の私は、どうにかして休憩時間を減らす工夫が必要であり、休憩スタイルにいろんな縛りを設けなければなりません。みなさまは私と違って勉強デスマーチになりがちですので、ぜひ積極的に休憩を入れて、燃え尽き症候群を予防してください。

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