ゴールから逆算して計画を立てると夢を見られますが、スタートから積上げて計画を立てると地獄を見られます。

今回のテーマは「行動計画」です。

毎度おなじみ、藤吉豊・小川真理子著『「勉強法のベストセラー100冊」のポイントを一冊にまとめてみた』によると、おすすめ勉強法の第五位は「ゴールから逆算して計画を立てる」だそうです。

ちなみに第二位は「目的とゴールを明確にする」でした。合わせて考えると、ちゃんと目標を立てて、行動計画を練りましょう、ということですね。

なぜ計画が大事なのか?

なぜ計画を立てるのが大事なのか。それは、実行力が高まるからのひと言に尽きます。

古来から大人たちは夢を抱き、その実現に向けて、たくさんの計画を立ててきました。中期経営計画、事業計画、アポロ計画、幸せ家族計画、魔法少女育成計画、人類補完計画などがパッと思いつきます。

計画を立てると、ただの夢だったものが、一気に現実的になります。

たとえば人類補完計画。この計画を発案したのは、ゼーレという、世界を陰から牛耳る秘密組織です。中学2年のときに左手に封印したアレがうずきそうな組織ですね。

ゼーレには、ある夢がありました。それは「人類を神に進化させる」というもの。これだけで、ちょっと頭のヤバい集団だと分かりますが、このゴールに向けて立てた計画も激ヤバでした。紹介しましょう。

猿でも分かる人類補完補完計画:
1. 強めのエヴァを用意する(初号機)
2. エヴァにロンギヌスの槍を刺す
3. アンチATフィールドを展開する
4. 人類の心の壁が無くなる
5. 人類の肉体をスープ(L.L.C)にする
6. 人類の魂をガフの部屋へと誘導する
7. 神になれる

ちょっと何言ってるか分からないと思うので、簡単に説明します。ゼーレの言う神とは「単一生命体」のことです。

ヒトは、ヒト同士で喧嘩しますよね。この喧嘩に幻滅したゼーレは「みんなで一つに合体したら喧嘩の起こりようがなくね?」という気持ちの悪い解決策を思いつきました。ずばり、みんなで神(単一生命体)になろう作戦です。

みんなで合体するためには、肉体を一つにする必要がありますが、それは人類の肉体をL.L.Cというスープに溶かして混ぜればいいだけなので、とっても簡単です。

難しいのは、魂を一つにすることです。誰しも、知らないオジさんから「一つになろう」などと言われたら嫌悪感を抱くと思います。このような他者への拒絶感情は、心の壁(ATフィールド)と呼ばれます。神になるためには、なんとかして心の壁をとっぱらう必要があります。

そこで出てくるのがロンギヌスの槍です。キリストの脇腹に刺された槍と同じ名前なこの槍は、いわゆるチート武器でして、ATフィールドを貫通する特殊効果を持っています。

ロンギヌスの槍で人類全員をちまちま刺していくのは手間です。そんなときは伊藤家の裏技。強めのエヴァにロンギヌスの槍を刺すと、あら不思議、世界中にアンチATフィールドが放たれる仕組みになっており、人類全体の心の壁を崩せるようです。

以上、人類補完計画でした。

神になるという途方もない夢であっても、ちゃんと計画を立てれば、実行できるということが分かりますね。

途中、毎話のように空から使徒が降ってきて人類滅亡の危機を迎えますが、それでも計画を実行できるのですから、計画の力は偉大だということが分かります。

賢い人の行動計画の立て方

頭のいい人は、どのように計画を立てているのでしょうか。調べてみると、いくつかのコツがあるようです。

第一のコツは「ゴールから逆算する」ことです。

具体的には、①ゴールを決める、②現状を把握する、③ゴールと現状の差を計算する、④差を埋めるために必要なタスクを決める、⑤タスクをカレンダーに割り振る、という5つの手順で計画を立てると良いとされています。

TOEICを例にしましょう。

手順①では、1年後に900点を取るというゴールを設定します。目標達成時期と目標数値を入れるのがポイントです。
・手順②では、TOEICを受けて現状のスコアを把握します。今回は800点だったとします。
・手順③では、ゴールと現状の差を計算します。900点-800点=+100点が差分です。
・手順④では、差を埋めるためのタスクを決めます。800点→900点へのスコアアップには300時間の勉強が必要と言われています。たとえば、試験慣れが課題だと感じているなら、TOEIC過去問を100回解く(2時間で1回分を解く+1時間で丸つけ&復習)というタスクを設定してみましょう。
・手順⑤では、300時間分のタスクをカレンダーに割り振ります。たとえば、月火水木金土に毎日1時間、日は休む、という行動計画を立てます。

このように、ゴールから逆算して行動計画を立てると「いまの自分の勉強が正しいんだ」と自信をもって取り組めるようになります。結果、勉強意欲が高まるそうです。

第二のコツは「中間目標を立てる」ことです。

哲学者のデカルトは言いました。「困難は分割せよ」と。大きな目標は、達成しやすい小さな目標に分割することで、モチベーションを保ちやすくなります。

たとえば、先のTOEICの例では、1か月後(目標810点)、2か月後(目標820点)、3か月後(目標830点)・・・という中間目標を立てるとよいでしょう。TOEICの点数は、スコアシミュレータで簡易的に測ることができます。

試験の成績といった、結果データを中間目標値にするのが望ましいですが、モチベーションが下がりやすい方は、1か月後までに過去問10回分、2か月後までに過去問20回分・・・という努力のプロセスを目標値にしてもいいと思います。

第三のコツは「無理をしない」ことです。

高すぎる中間目標を立ててしまうと、目標未達となったとき、その挫折感によって、モチベーションを大きく落としてしまう可能性があります。勉強の達人は、無理な計画を立てないことをお勧めしています。

無理のない計画を立てるためには、以下の点に注意するとよいでしょう。

①計画は崩れる前提で余裕をもっておく
②調整日をつくる
③優先順位の高いものを前半の予定に入れる
④予定が崩れたら計画を見直す。

この他にも、計画を紙に書き出す、計画書を壁に貼る、本計画を立てる前に3日分だけテスト計画を立てて実行してみる、計画は1枚の紙にまとめる、計画書は手書きで作る、シングルタスク化する、タスクを何時までに着手するかの「スタート締切」を決める、休憩時間も計画にいれる、短い時間でもミニ計画を立てる、などのコツがあるようです。

個人的に「ほぅ!」と唸ったのは「短い時間でもミニ計画を立てる」というコツです。美月あきこ著「ファーストクラスに乗る人のシンプルな習慣」によると、ファーストクラスに乗る人は、搭乗後にメモ帳を取り出し、機内での過ごし方のプランを書き出すそうです。

私は偉い人たちの「たった数時間でも無駄にしないように計画を立てる」という姿勢に目から鱗が落ちました。計画を立てるのが習慣になっているのですね。

すごくない行動計画の立て方

やって参りました。すごくない勉強法の時間です。ここからは「すごくない行動計画の立て方」を紹介します。とくとご覧あれ!

過去記事では、すごくない〇〇と言いつつ、私くらい怠惰な人にとっては、ちょびっと役立つ勉強法を紹介してきました。しかし、今回は格が違いますよ。酸性洗剤と塩素系洗剤を混ぜるくらい、絶対やってはいけない行動計画の立て方を紹介します。

これは、私が大学受験のときに実際にやってしまった話です。

私は数学が苦手です。どのくらい苦手かというと、同期の理系T大生の中で、入試の数学の点数が最も低かったのが私です(記憶が正しければ120点満点中20点でした)。

T大の中でも、私くらい底辺オブ底辺な数学力を誇る奴はいないので、逆に希少価値があり、何かの標本になれると思っています。

そんな私だからこそ、自信をもって伝えられるのが「こうやったら受験数学で立派に大失敗できる!」という行動計画の立て方です。

賢い人たちは、ゴールから逆算して行動計画を立てるとお伝えしました。では愚かな私はどうしたのでしょうか。行動計画を立てずに勉強したのでしょうか。いえ、もっと愚かな方法があるのです。

私は、スタートから積み上げて行動計画を立てました

具体的には「赤チャートをやり込めば勝てる」という謎の赤チャート教にハマってしまい、その挙句、毎日2時間も勉強すれば、受験当日までに400時間も勉強できるので、大丈夫だろうと考えたのです。もちろん、400時間やれば合格できる根拠は、どこにもありませんでした。

つまり、自分が1日にやれる「2時間」という単位を、日数分積み上げて、最終目標を「400時間勉強する」と設定したのです。これを私は「積上方式」の計画立案法と呼んでいます。

この計画立案法は、数学で大失敗してみたい方にお勧めです。

なぜなら。テキメンに時間と労力を無駄にできるからです。やればやるほど受験当日までの残り時間をいたずらに減らすことができ、それでいて実力がつかないので、合格から一歩ずつ着実に遠のいて行けます。

さらに、この方法のいいところは、頑張った感を得られるところです。普通は勉強の成果が出ないと「このままでいいのだろうか」という不安に駆られます。

しかし、積上方式は不安になりません。なぜなら「400時間」という具体的な目標を設定しているからです。数値をクリアしている限り「目標達成に着実に近づいているだから大丈夫」という意味のない自信がわき続け、誤った勉強法をやり抜くためのモチベーションを維持できます。

ポイントは、なるべく分厚くて難しい問題集を選んで(赤チャートがお勧め)、頭から順番に問題を飛ばさず解いていくことです。解けない問題にぶつかったとき、答えを見ずに、なるべく長い時間自分の頭で考えるとさらに高ポイントです。

こうすることで、かけた時間の割に、解く問題数を少なくできるので、勉強の効率をグーンと下げることができ、受験当日までに数学IIICまで到達しない絶望感を味わえます。

あの絶望感を一度味わっておけば、受験に失敗するという貴重な体験ができるだけでなく、その後の勉強人生で訪れる様々な絶望にも耐えられることでしょう。

積上方式をより深く理解したい方のために、要点が記憶に残るよう、STUPIDの法則を考えてみました。

S. save up 積み上げる
T. time-consuming 無駄に時間をかける
U. unsupervised 人にアドバイスを求めない
P. poor なるべく愚かな方法で
I. irritatingly いらいらするくらい愚直に
D. displayed 進捗を見える化してやる気を保つ

このように、自分ができることを積み上げて、400時間という何の意味もない目標を設定することで、効率よく時間を無駄にできます。試験会場でなめる苦渋の味に興味がある人には、ぜひ試してみていただきたいです。

まとめ

すごくない実行計画の立て方を紹介しました。「努力の先の絶望を見てみたい」と思ったとき、勉強時間を積上げて実行計画を立てるという方法があります。心折れることなく、間違った方向に突き進み、貴重な時間を浪費できます。精神力の鍛錬にはなると思います。が、私のように後悔したくない皆様は、ゴールから逆算して勉強計画を立てることをお勧めします。

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