メタバースは四番打者か

コラムの第17回。

今回のテーマは「メタバース」である。

先日、社内で川柳のコンペが行われた。入選するとカタログギフトがもらえると聞き、賞品ほしさに、何十年ぶりか分からない川柳に挑戦した。

とはいえ、素人がすぐには思いつく訳もない。サラリーマン川柳からインスピレーションを得ようと思い、歴代作品を調べた(今はサラッと一句!と言うらしい)。

・また値上げ 節約生活 もう音上げ
・8時だよ!! 昔は集合 今閉店
・会社へは 行くなと上司 行けと妻
・スポーツジム 車で行って チャリをこぐ
・いい夫婦 今じゃどうでも いい夫婦

…ちょっと秀逸すぎないか。ギャグセンが高すぎて、逆に参考にならない。世の中には、おもしろおじさんが、わんさか隠れているようだ。読む手が止まらない。そんな中、ある一句に目が止まった。

・メタバース 四番打者かと 孫に聞く

これはメタバースという流行語を、昔の阪神の四番打者バースに掛けた川柳である。

おとぼけ感があってクスッとくる一句だ。だが、私は笑えなかった。「メタバースってなんだ?」となったからだ。ニュースをあまり見ないので、メタバースの意味が分からなかった。

危ないところだった。これは後で恥をかくやつだ。今のうちにメタバースについて調べておこう。もしメタバースを四番打者だと思っていた読者がいれば、本コラムで一緒に勉強しよう。

メタバースとは?

メタバースとは、ひとことで言うと「仮想空間」のことらしい。インターネットの中に構築された3次元の世界に、アバターとよばれる自分の分身を登場させることを指すようだ。

メタバースの代表例はゲームだ。マインクラフトあつまれどうぶつの森フォートナイトの「パーティロイヤル」モードが有名だそうだ。最近ゲームをしていないが、ギリギリ知っているタイトルだ。

他のメタバース系ゲームには、Second Life(2003年発売)、The Sandboxなんてものもあるらしい。正直知らない。

ゲーム以外にもメタバースは実用化されていた。たとえば、Horizon Workroomsは、仮想空間上で会議やセミナーを開くことができるサービスである。Facebook社で採用されているらしい。

Zoomと何が違うんだ?と思ったが、VRデバイスを使って仮想世界に入り込む点が違う。自分も他人もアバターである。Zoomなら自分の部屋だけど、Horizon Workroomsで周りをぐるっと見渡すと、同僚アバターがいて、手元にはバーチャルなキーボードやパソコンがあって、みんなでホワイトボードに書き込んだりする。会議への没入感がすごそうだ。

007ゴールデンアイとメタバースの違い

メタバースのことが、なんとなく分かってきたけれど、これまでも仮想空間ってあった気がする。たとえば、私の世代だと、ニンテンドー64の「007ゴールデンアイ」というFPS(ファーストパーソンシューティングゲーム)が流行った。すぐ死ぬナターリアにイラついたものだ。あれはメタバースとは違うのだろうか?

調べてみると、どうやら違うらしい。日本バーチャルリアリティ学会編「バーチャルリアリティ学」コロナ社(2010年)なる本があり、その中で、メタバースを以下のように定義していたのが参考になった。

メタバースの定義
1. 3次元のシミュレーション空間を持つ
2. アバターに自己投射できる
3. 複数のアバターが同じ空間を共有する
4. 空間内にアイテムを創造できる

ゴールデンアイは、映画を舞台とする3次元シミュレーション空間上でプレイする。よって、定義1は満たしている。

ゴールデンアイは、主人公のジェームズボンドに自己投射(?)して操作する。対戦モードでは、複数のキャラクター(アバター?)が同じ空間を共有する。よって、定義2,3も満たしているように思えるが、キャラメイキングができないので、自己投射やアバターと呼んでいいかは疑問が残る。

ゴールデンアイは、空間内にアイテム創造ができない。よって、定義4を満たせず、メタバースではないと言える。(ただし、死体を創造できるので、死体をアイテムだと見なすとメタバースとなる)。

総合的にみれば、ゴールデンアイはメタバースではない。近いものではありそうだが。

メタバースのことが、かなり分かってきた気がする。まだメタバースを活用するのは無理だが、「メタバースも知らないの?」とマウントをとられないレベルにはなれたのではないだろうか。満足である。

メタバースへの期待

コロナによって在宅勤務が浸透したように、何かのきっかけがあれば、当たり前にメタバースを使うようになるのだろうか。スタバに寄るくらいの気軽さでメタバっている可能性もある。

もしそうなら、私のような一介のサラリーマン(在宅勤務民)としては、メタバースオフィスに期待したい。そして面白アイテムを使ってみたい。

たとえば、働き方改革の一つとして「自分の残りHP(ヒットポイント)が書かれたバッジを胸につける」という会社があった。ユーモアがあっていいなとホッコリした。

メタバースオフィスになれば、HPがリアルタイムで削られていく様子も可視化できたりするのではないだろうか。「あっ、すみません。残りHPが少ないので退勤します」とか言えたら楽しそうだ。

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