キレやすい人の、キレやすい人による、キレやすい人のためのアンガーマネジメント講座

コラムの第24回。

自分は、かなり怒りっぽい性格です。

中学3年のとき、行きたい高校に面接試験がある、ということを知りました。面接なんてやったことないし、大丈夫かな…。不安になっていると、その様子を見た進路指導の先生が、気を利かして、面接練習をしてくれることになりました。

ガラガラガラ。

「しっ、しつれいしマスっ!」

結果は、最悪でした。得意のコミュ障を発動し、トンチンカンな受け答えをしてしまいました。準備していかなかったのも良くなかった。そしたら、先生が笑いながら言いました。

「大丈夫かぁ?」

怒るでもなく、むしろ、場をなごまそうとした感じで、しっかり練習して来いよというオーラで、かぎりなく優しく、「大丈夫かぁ?」と声をかけてくれました。普通は、感謝するところだと思います。

でも、すごく腹が立ちました。

逆恨みもいいところなのですが、先生が気遣って言ってくれた「大丈夫かぁ?」を聞いた瞬間、「こいつ、俺のこと舐めてんな」と思ってしまいました。マジで性格悪いですね。しかも、その後10年以上にわたり、その先生に対してムカつき続けていました。

控えめにいって、ヤバすぎる性格です。

そうはいっても、社会に溶け込んで生きていきたいですし、なるべく波風立てたくない、と常々思っています。どうやれば怒りを安全に処理できるか。ずっと考えてきました。本もいろいろ読みました。

私が言っても説得力がゼロだろうとは思いますが、怒りっぽいやつなりに、怒りのことをたくさん勉強してきたので、人間が怒るメカニズムについては、わりと把握しているつもりです。

そこで今回は、私がなぜ怒ってしまうかについて、解説してみようと思います。

いきなり結論を言っちゃうと、私が怒る理由は「自分が正しい」と思っているからです。ぶっちゃけ「自分が正しければ怒っていい」と考える習慣がついてしまっています。

たとえば、私は「え?なんて?」と聞き返されるだけでキレます。いっこく堂さんくらい口を開けずにボソボソしゃべっているくせに、聞き返されるとキレます。

腹立術師です。

どう考えてもボソボソしゃべっている私が悪い。客観的にみればそうなのですが、実は、私は悪いと思っていないんです。だから怒るんです。どういうことでしょうか。

もともと私の地声は、スリムクラブの眞栄田さんくらいガサガサで、聞き取りづらいものでした。人の何倍も努力して発声練習して、ボイトレにも四年通って、ようやく、ギリ聞き取れるくらいのモゴモゴ感に改善しました。

頑張ったんです。

でも、頑張ってしまったがゆえに、聞き返されると「こいつ!私の頑張りを否定しやがって!」という気分になり、尋常でないストレスを感じてしまいます。相手からしたら知ったこっちゃない話です。ごめんなさい。でも、分かります? こう考えると、私が被害者なんですよ。私が正しくなるんですよ。

「不躾に聞き返す方が悪い」
「私は十分頑張っている。悪くない」

ほらね。ヤバいでしょ(笑)

でもね、私に限った話ではないと思うんです。こういう「自分こそ正しい」という思い込みって、ありふれた話ではないでしょうか。

戦争だってそうです。誰しも「俺間違っているかも?」と思いながら相手を攻撃したりしません。自分は絶対に正しいと思える正義に固執するから、戦争を仕掛けるんです。

みんな、けっこう「自分は正しい」って思っていますよ。

正しいならいいじゃん、って思うかもしれないですが、すごく大切なことを言います。正しさは作れるんです。かわいいは作れるみたいに言うな!と怒られそうですが、大事なことなのでもう一回言います。

正しさは作れるんです。

どんなことだって、理屈をこねれば「自分は正しい」と思えるものです。さっき私が「不躾に聞き返す方が悪い」と考えたのもそうです。「自分は正しい」という考えは、本当に正しいかどうかによらず、簡単に作れてしまう考えなのです。

だから、正しいはめちゃくちゃ危ないんです。

自分が正しいと感じるからといって、怒っていい状況とは限りません。ほとんどの場合は怒らない方がいいです。正しさを頼りにしちゃうと、目が曇るので、怒っちゃいます。じゃあ、どうすればいいか。

正しいか、正しくないかで、自分の怒りをコントロールしなければいいんです。怒りそうになったら、正しいかはさておき、「はて、自分は怒りたいんだろうか?」を問うといいです。

たとえば、「え?なんて?」と聞き返された時、ムカッときます。ムカッとくるのは、人間の自然な感情です。ムカッを否定する必要はありません。

「あぁ、自分はムカついているな」

いったん、認めましょう。そしたら、次は「自分は怒りたいかな?」と考えてみましょう。絶対に「自分は正しいかな?」と考えてはいけません。それは危険。正しいかなんてどーでもいいんです。怒りたいかどうか。そこに集中しましょう。

こういうとき便利なのが、コマンドです。頭の中にゲームのコマンド選択画面を浮かべてみましょう。ポケモンみたいなウィンドウを出してみましょう。

 どなる
 ものにあたる
 いいかえす
▶︎ねむる

今回は「ねむる」にしとくか、と選べればベストです。このように、怒りを反射に任せるのではなく、自分で選択できるコミュニケーションツールの一つと捉えることで、怒りを制御しやすくなります。

自分が正しいかどうかを考える習慣がついていると、怒りが反射的にでやすくなります。そうではなくて、正しさが誰にあるかを脇におく勇気を持ち、「怒ろうと思えば怒れるけど、どうしよっかなー」と立ち止まる癖をつけることが大切です。

以上、誰よりもブチ切れる男による、だれが言うてんねん!な、アンガーマネジメント講座でした。

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