歯間ブラシを小学校の必修科目にしてほしい

コラムの第25回。

今回のテーマは「虫歯」である。

「僕は友達が少ない」でおなじみの私だが、ありがたいことに高校の部活で一緒に汗を流した同窓生とは仲良くしてもらっている。

コロナが流行る前は、一年に最低一回は集まって同窓会をしていた。その飲み会では近況を話すのが定番だった。あるとき「虫歯の話」で盛り上がった。

歳をとると話題が病気・親の介護・人の悪口だけになっていくと聞いたことがある。虫歯という健康不安の話に華が咲いたあたり、我々も立派な中年になれたようだ。

その時虫歯の話題を提供したのは私なので、中年へのスタートダッシュでは同窓生を大きくリードできたとも言える。

なぜ虫歯の話で盛り上がれたのかは「中年だから」のひと言で片付いてしまうのだが、もう一つ理由があるとすると「歯間ブラシの重要性を学んでこなかったために、痛い目をみた共通経験があったから」である。

私が見た痛い目を紹介したい。

会社の健康診断に、歯科健診の項目がある。私は毎年、歯科衛生士のお姉さんに「ちゃんと磨けていますね」と褒められていい気になっていた。だが、歯医者さんに行ってみると「虫歯が6本あるっすね。神経まで逝っちゃてるかも」と告げられた。

ん?

ちょっと何を言われているか分からなかったのだが、要は会社でやるような一斉歯科検診は、けっこうザルであり、歯と歯のスキマから浸食していくタイプの虫歯は簡単に見落とされがち、ということだった。

そんなことも知らない私は、一斉歯科検診に全幅の信頼を置いていた。その結果、神経に届くまで虫歯が浸食してしまったのである。

歯医者さんに教わって驚いたのだが、歯ブラシでゴシゴシ磨くだけの口腔ケアはただの自己満足であり、本当に大切なのは、歯間ブラシだそうだ。みなさん知っていただろうか?

ごはんを食べると、嚙む動作によって、歯が少し変形し、歯と歯の間にモノが挟まる。歯と歯の間にモノが挟まったままだと、どんなに歯磨きしても虫歯になる。理想は1日1回、歯間ブラシをした方がいい。せめて週に1度は歯間ブラシをするべきだそうだ。

そんなに歯間ブラシが大切なら、学校で教えてほしかった。

無知は恐ろしい。私は数か月~年単位で歯間ブラシをしていなかった。歯間ブラシをやってみると、すべての歯茎から血が噴き出すグロテスクな事態となった。しかも、歯間ブラシからこの世のものとは思えない異臭がした。

歯間ブラシをしたとき、血が出る・臭い・引っかかる、のどれかが生じると、もうすでに虫歯なのだという。私は出血異臭引っかかりの三重苦をコンプリートしており、どこに出しても恥ずかしくない虫歯だった。

虫歯を放っておいたのもよくなかった。

歯の治療は「削って埋める」が基本である。ピッコロみたいにちぎれた腕が生えてくる奴は稀だ。我々は腕も生えないし、永久歯も削ったら復活することはない。30歳にして歯の大部分を失ってしまったのは、あまりにも大きい代償だった。

かろうじて抜歯は免れたが「あと1ミリでも浸食されたら抜歯」な歯をたくさんゲットしてしまった。さらに辛いことに、かなり深く削ったので、埋めるのに結構なお金がかかった(保険が効かない治療になる)。

銀歯なら1本数千円、セラミックなら1本数万円という世界である。私は迷いなく「銀歯で!」と申し出たが、妻が「見えるところだから、目立たないセラミックにした方が絶対良い」と助言してくれた。10万円近い出費になったが、会社でのあだなが「銀歯」になるのを阻止してくれた妻には感謝している。

こんな馬鹿な目に合うのは私くらいのものだろう。そう思っていたが、最初に言ったとおり、同窓生も歯間ブラシをしなくて痛い目にあっていた。歯間ブラシの大切さが、世間にあまり認知されていないのではないかと思う。

もし歯間ブラシをしていないという方がいたら、早めの対策をお勧めする。

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