雑学は「オモシロわくわくクイズ」に改名した方がいいと思います

コラムの第41回。

本日の新ことわざ
「オモシロわくわくクイズ」
粋な雑学のこと。知識でマウントをとる雑学は無粋だが、その知識が正しいかどうかをいったん横に置いといて、相手も自分も気持ちよくなることを目指す雑学は、とても良いものである。

しょぼいと思っていたものでも、磨くと想像以上に光ることがあります。

大学生のころ、ざっくりハイタッチという深夜番組に夢中になりました。千原ジュニアさんが出ている番組で、フットボールアワーの後藤さんと岩尾さん、小籔一豊さんの四人で、ワチャワチャ楽しそうに喋っていました。それを見るのが生き甲斐でした。

特に好きだったのがジュニアさんです。

日本一のトークモンスターは誰かと聞かれたら、普通は、松本人志さんや明石家さんまさんを思い浮かべると思います。ところが、私の場合は千原ジュニアさんなんです。

というのも、ジュニアさんって、「ものごとの核心を突く」能力が高いと思っていて、私はいつもジュニアさんの話に感心してしまうからなんです。

つまり「うわっ。ほんまや。言われてみればそうやん!」と思うことが多いということです。まだ自分が言語化できてない現象の核心をバシー!っと突かれるものですから、トークが面白いを超えて、心をガシッと掴まれる感じがします。

だから好きなんですよね。

さて、今回紹介したいのは、ジュニアさんが雑学というものの核心をついた話です。

先日、ジュニアさんのYouTubeチャンネルに、一本の動画が投稿されました。その動画では、ジュニアさんがラフ次元さんとトークをしてました。

いや、ラフ次元って誰ー!?って感じで、とんでもなく失礼なことを思いながら見てたんですけど。ラフ次元さん、超すごい芸人さんでした。

ラフ次元さんは、ボケの空さんとツッコミの梅村さんのお二人による芸人コンビです。「梅村の雑学がオモロいんですー!」と先輩芸人の間で評判になるくらいの雑学王らしくて。ぜひジュニアさんも会ったってください、ということで出演となったそうです。

梅村さん。たとえば、こんな感じで雑学クイズを出してました。

「英語のFAMILYってありますね。あれ、なんのイニシャルやと思います?」

え?ファミリーがイニシャル?そんなこと考えたこともありません。えーと…。ファンタ・ミリタリー味の略とかでしょうか。なんて考えてると、

「Fはファーザーちゃうか?」

ジュニアさんがポンと回答しました。うわっ。絶対それやん!ジュニアさん頭の回転はやっ!

「ほんで…Mはマザーやろ」
「正解です!早いですね!」

ジュニアさんの感が冴え渡ります。Father And MotherでFAMなんだそうです。なるほど。よくできてますね。でもILYが残ってますよ。何でしょうか。いつも・らぶらぶ・よ、とかでしょうか。

「ヒントは親から子供に言う言葉です」
「あい…。ラブ、ユーか!」

またしてもジュニアさんが正解です。Father And Mother I Love Youのイニシャルを取ってFAMILYなんだそうです。

なんておしゃれな語源なんでしょうそのファミリーの覚え方めっちゃいいですね。雑学って面白いんだなあと素直に思えました。すると、梅村さんが少し悲しそうな顔をして言いました。

「でも、諸説あるって言う人もいるんです」

Father And Mother I Love Youはキレイだけど「それって後付けじゃん。本当の由来はそうじゃないらしいよ」ってケチをつける人もいるらしいのです。なんか嫌ですね。

そんな人に対して、梅村さんは「諸説あるかもしれないけど、キレイなんだから、それでおもしろがればいいじゃん。それで勉強に興味が湧くならいいことじゃん」と感じたそうです。

たしかに、諸説あるとかゴチャゴチャいわれると、せっかくキレイにまとまった雑学が台無しにされたように思えますよね。うまく言えないですけど、ケチのつけ方にセンスがないなって、もやもやします。

ここで、ジュニアさんがひとこと。

「無粋なやつがおるねんなー」

それだ!無粋。雑学を台無しにするものの正体は「無粋」だったんです。私、今まで粋という角度で雑学のことを考えたことがなかったので、これは核心を突かれたと思いました。

興奮しながら、ジュニアさんの「無粋」の意味を考えました。

普通、雑学を聞いたら「これ、知らなかったなぁ」とか「これ、ためになるなぁ」といったように、知識の情報性を判断基準にすると思います。でも、発想を変えて「粋かどうか」で雑学を評価してみたらどうなるでしょうか。

たとえば「それって諸説あるよね」「ほんとは違うらしいよ」「面白いけど何の役に立つの?」「それ知ってる」こんなことを言う人にはカッコよさを感じられません。ということは粋ではありません。知識としての情報性にこだわりだすと、雑学は粋ではなくなるのです。

雑学に知識の正しさを持ち出す人がカッコわるいのは、おそらく「こんなことまで知ってる俺すごいでしょ」のような自意識が含まれているからでしょう。雑学を利用して、自分を大きく見せたいと思っているのです。そういう下心は透けて見えるものですから、カッコ悪くて無粋です。

一方、「めっちゃすてきやん」「キレイやなー」「うわめっちゃ勉強になるわ」「聞いたことあるけど、考えた人すごいよなー」こんな風に、雑学を勉学としてではなくエンターテイメントとして楽しもうとする人はカッコいいので粋だと言えます。

他人事のように書いてしまっていますが、私はどちらかというと「無粋側の人間」であり、雑学に対して知識マウントを取るための手段だと心のどこかで感じていました。

だから、雑学のことをそれほど大切に思ってこなかったのですが、梅村さんとジュニアさんのやりとりを見て心変わりしました。二人ほど粋に雑学を楽しめたらどんなに素敵だろうと思えたからです。

粋側に行きたいなぁ。

ここである疑問が生まれます。

そもそも、なぜ自分は無粋側の人間だったのだろうかと。

不思議なものです。なぜ純粋に雑学を楽しもうとせず、33年間も諸説にしがみついて生きてきたのでしょうか。テレビは雑学であふれているというのに、なぜ粋に面白がろうと思えなかったのでしょうか。

じっくり考えた結果、自分が雑学を粋に楽しめなかったのは、自分のせいじゃないという結論にいたりました。きっと、雑学というネーミングが悪かったんだと、そう思ったんです。

雑学には「学」の字が入っていますよね。そうすると「雑学は学問なのね」と思ってしまいませんか?そして、学問であるならば、知識を正すのが筋であろう、と考えるのは自然なことです。

Father And Mother I Love You? へぇー。で。ほんとの語源は?といったん疑ってかかってしまう。これは、雑学を学問と捉えてしまうことによる大きな弊害です。

だから改名を提案したいと思います。
雑学と呼ぶのは今日でおしまいです。

学問ではないのですから、学を取ってしまいましょう。ついでに雑も取りましょう。雑ってけなしてるイメージがありますからね。よくないです。

代わりにポジティブなワードを使いましょう。思い切って「オモシロわくわくクイズ」という名前にするのはどうでしょうか?

「雑学を披露するよ」って言うかわりに「オモシロわくわくクイズするよ」って言った方が良くないでしょうか。面白くてワクワクすることがゴールだなって分かりやすいと思うんです。

もし「諸説あるよね」って言ってくる無粋者がいれば、いや諸説あったらオモシロわくわくしないじゃんって切り捨てられますし。

けっこういい案だと思うのですが、みなさまはどう思われるでしょうか。

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