ダイバーシティ&エクスクルージョン。強く生きることの大切さを教えてくれた「まめまめくん」

育児日記の第28回。

ダイバーシティ&エクスクルージョン
【だいばーしてぃあんどえくすくるーじょん】一人一人の違いを受け入れていこうよ!という世の中になりつつあるといっても、やっぱり「尖りすぎた個性」は排斥されがちだという悲しい現実。

自分と違う価値観を認めるのって本当に難しいなぁって思います。

物音でかい系男子

むかし通ってた塾でこんなことがありました。その塾には8畳くらいの自習室があり、入ると真ん中にでっかいテーブルがドーンと置かれていて、それを皆で囲って黙々と勉強するというスタイルでした。そこに隣の高校の制服をきた男の子(O君)が居ました。

O君とは一度も喋ったことがありませんが、私はO君のことがずっと気になっていました。なぜかというと、O君の物音がめちゃくちゃでかいんです。

まず自習室に入ってきたら「フゥー!」とため息をつき、手に持ってるスクールバッグをドッサァ!と床に置きます。それからシャーペンやらノートやらを机に出していくのですが、この音がまぁ大きい。シャーペンがグワッチャーン!って音を立てます。漫画にしたら間違いなくドラゴンボールの如く集中線が引かれまくってるレベル。

「どうやったらそんな音がでるんや?」と思って、見てみるとビックリしました。なんとO君、机に向かってシャーペンを一本一本投げてました。どうなってんねん笑。絶対この人とは分かり合えないわぁと思ったものです。

ところが、もうすぐ卒業となったある日、O君の消しゴムが私の足元にコロコロ~っと転がってきました。「おちてたよ」。私が拾って渡すと「あ…ありがとっゴザマス!」って照れた感じで丁寧にお礼をするO君。えっ!あの騒音出しときながら実は礼儀正しいタイプ!? 人って分からないものです。その日から、O君に対する嫌悪感はサッパリ消えました。

O君はナチュラルに音に対して鈍感な価値観を持ってるだけで、根っこは優しい人だったんですね。でも、当時の私は物音が大きいだけで「こいつ絶対性格悪いわ」って偏見を持って見てしまっていました。

こういう風に、人の一面だけを見て中身まで決めつけてしまう話ってよくありますよね。食事をクチャクチャ食べる人とか、財布の中にレシートがぐちゃぐちゃに詰まってる人とか、喋ってみると意外と良い人だったりするのですが、なかなか初手から相手の価値観を受け入れてあげることができません。

自分、器が小さいなぁと思います。

ダイバーシティ&エクスクルージョン

最近、ダイバーシティ&インクルージョンという舌が絡まりそうなワードを良く耳にするようになりました。ダイバーシティとは「多様性」、インクルージョンとは「受容」のことで、簡単に言うと「人々の個性と能力に応じた活躍の場を提供する」という意味だそうです。

具体的には、女性の活躍、外国人の雇用、高齢者や障碍者の活躍、LGBTへの理解、子育てと仕事の両立などを推進するということのようですね。

なんでこんな難しい話をしているかというと、ダイバーシティ&インクルージョンって言うほど簡単じゃないなぁと思っていて、多様な価値観を受け入れられる世の中って本当に実現するの?というモヤモヤを抱えていたからなんです。

そんなあるとき、息子に「まめまめくん」という絵本を読んでいてハッとさせられました。まめまめくんの生き方がすごいなぁと。ダイバーシティ&インクルージョンという理想に頼るだけではなく、現実はダイバーシティ&エクスクルージョン(注)なんだから、そこでどう生きていくべきかを説いていて深いなぁと思いました。
(注:排斥されがちな世の中でも、自分の多様性を信じて貫く力が大事だ!という意味の私が作った造語)。

「まめまめくん」のストーリーを紹介しますね。

まめまめくんは豆粒みたいに小さく生まれてきた男の子。なぜ小さいのかは原因不明ですが、とにかくポジティブな少年です。小さいから人形の靴履けるじゃん、マッチ箱で寝られるじゃんという風に、小さいなりの楽しさを見つけて生きていました。

ところが、学校に通い出すようになると、いろんな苦労に直面します。食器が大きすぎて給食が食べられない。縦笛が大きすぎて吹けない。スポーツもみんなと一緒に楽しめない。友達もできなくて、ずっとひとりぼっちになってしまいます。

「いや、みんな声かけたれよ」と思いました。ダイバーシティの塊である「まめまめくん」に対して、みんな冷たすぎやしませんか? 昔、南くんの恋人ってドラマありましたけど、小人が近くにおったらふつう話すでしょ。面白いやん。まめまめくんのクラス、エクスクルージョン(排斥)やわぁ。

しかし、まめまめくんはめげません。自分は絵が好きだなぁって思って、できないことじゃなくて出来ることに目を向けました。そして、最後には絵の才能を活かした素敵な職業に就けましたとさ。

職業名までネタバレすると作者様に悪いので秘密にしますが、私は思わず「ほぉ~」と唸るくらい素敵なお仕事でした。

まとめると「周りと違っていいんだよ。自分の得意なことを見つけられたらそれでいいんだよ」というメッセージが込められた絵本です。みんながまめまめくんを受け入れたんじゃなくて、周りに頼らず自ら道を切り開いていくまめまめくんの「生きる強さ」が、すごいなぁと思いました。

まめまめくんと一寸法師の違い

まめまめくんに似たような話で、一寸法師という昔話があります。

でもこれ、似てるようで全然違うなと思います。というのも、まめまめくんは自分を信じられちゃうタイプなのですが、一寸法師はコンプレックスにまみれてるタイプです。

一寸法師って、体が小さいのを活かして、鬼に一回飲み込まれたのち、体内から針で刺しまくって鬼を倒すんですよね。ここまではいいんです。「体が小さいのにすごい!」って思います。問題はそっからです。

一寸法師、最後に打出の小槌を使っちゃいます。

その瞬間「あ、やっぱり小さいのコンプレックスだったんだ」って分かって、幼い私はちょっと興ざめしてしまいました。そこは「俺小さいからすごいんだぜ」を貫いてほしかった。

しかも、打出の小槌で大きくなった後の身長が182cm。でかくないですか?あの当時の日本だから、今の感覚で言うと190cm超えてるくらいのサイズ感ではないでしょうか。今まで小さいことでからかってきた輩を見直してやろうという気持ちがビンビン伝わってきます。

気持ちは分かります。でも「一寸法師、小さいの嫌だったんだねぇ。見返したかったんだねぇ」とは子供に伝えづらい。なぜなら、それは「ダイバーシティ」を批判することになるから。

その点、自分のダイバーシティを貫けるまめまめくんは凄いなぁと思います。

まとめ

「まめまめくん」という絵本に感動したので、紹介しました。みんなで価値観を認め合おうという世の中の風潮がありますが、実際に価値観を認めるのは難しいもの。それならば相手の懐の深さに期待するのではなく、自分の多様性は自分が信じてあげなきゃ!という生きる強さを持つことこそが大事なのではないでしょうか。「まめまめくん」から大切なことを学びました。

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