「バリカタは美味くない」科学的に正しい博多ラーメンの食べ方

面白科学の第1回。

バリカタ方程式
【ばりかたほうていしき】博多ラーメンにおける「バリカタ」を楽しむための科学的に正しい手順のこと。この方程式の通りに注文すると、店主に「こいつ分かってるな」と思ってもらえる。
バリカタは美味くない

先日読んだブログに、博多ラーメンを根底から揺るがす驚愕の事実が書いてありました。博多ラーメンで愛されている「バリカタ」が美味いというのは錯覚で、科学的に見れば美味くないというのです。

またどこかの訳の分からない連中がおかしなことを言っているんだろうと思ったら、これを発信しているのは博多ラーメンでぶちゃん高田馬場本店の甲斐さん。まさかのラーメンのプロ、しかも、博多ラーメンを守る側の人間による犯行です。びっくりしました。

普通、博多ラーメンといえば「バリカタ」や「カタ」などの硬麺がメジャーだと思います。私も福岡に行って本場のラーメンをいただいたことがありますが、もちろんバリカタを注文しました。あの細くて硬い面がスープに絡まってうまいんですよね。

しかし、甲斐さんが言うには、バリカタは「コシがないし、食べる前に伸びるし、雑味が多いし、スープにも絡みづらい」とのこと。いったいどういうことなのでしょうか。

バリカタって硬麺なので歯ごたえがあって「コシあるなぁ~」と思うんですけど、あれはコシではなく芯。コシというのは、小麦粉の中のデンプンが水と一緒に加熱されることによって糊化(アルファー化)して生まれる弾力のこと。つまり、硬さではなくモチモチ感がコシなのです。10秒しか茹でないバリカタにコシは出ないのだとか。

しかも、バリカタは「生煮え」なので麺がギュッとしていない。水分が入り込む隙間がたくさんある状態です。そのため、スープにいれると30秒で伸びます。盛り付けと提供に15秒かかると考えると、私たちがバリカタを楽しめる時間って15秒しかありません。15秒ですすれと笑。

さらに雑味もあります。雑味のもとは麺に含まれる「かん水」。酸っぱい匂いのするアルカリ塩水溶液です。しっかり茹でた麺ではゆで汁でかん水が洗い流されますが、バリカタにはかん水が残ってしまいます。これがスープに雑味を与えてしまうようです。

もうそろそろ勘弁してあげてほしいのですが、まだあります。バリカタはスープに絡みづらいんだそうです。えー!マジですか…。というのも、バリカタって普通麺に比べると、麺がゴワゴワしていて、ストレートじゃないんです。ストレートに近いほど毛細管現象によってスープが麺に吸い上げられるのですが、バリカタはスープが絡まない。

以上の理由から、科学的に見てバリカタは美味しくないのだそうです。全然知りませんでした。

おすすめの食べ方は?

これだけバリカタをボロクソに言った甲斐さんですが、ラーメン屋に行ったらバリカタをよく頼むそうです。頼むんかい!どういうことやねん。こんなことを言っていました。

「美味しいと好きは別物です」

簡単に言うと、ラーメンとして美味しいのは普通麺だけど、バリカタのプチプチとした食感があれはあれで好きらしいです。

あ~なるほど。分かる気がします。絶対いい店で食べるラーメンが美味いけど、たまにチキンラーメン食べたくなるようなもんですね。って、ラーメンをラーメンで例えても分かりづらいですね笑。

ちなみに、バリカタを頼むときは、さきほど言った科学的なデメリットを最小限にするための、おすすめの食べ方があるそうです。

どうするかというと、まず1杯目は「普通」または「ヤワ」を頼みます。そして麺のコシを楽しみます。食べ終わったら、替え玉で「バリカタ」を頼みます。味わってはいけません。雑味や伸びを感じるまえに、素早く一気にすすり、食感だけを楽しむのがポイントだそうです。

「普通→バリカタ」の順番で注文すると、店主としても「このお客さんわかってんな~」と思うそうですね。この食べ方を「バリカタ方程式」と名付けたいと思います。

いやぁ~知らないことだらけで、勉強になりました。奥が深いですね。

今回は博多ラーメンに関するおもしろ科学知識を紹介しました。科学っておもしろいですよね。だから自分も研究者という仕事をしているのですが、ぱっと人に話せる面白科学エピソードがないなあと思いまして、このブログで集めてみることにしました。また何か見つけたら紹介します。

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