カンブリア紀の覇者アノマロカリスの意外な弱点

おもしろ科学の第3回。

古代の巨大生物と聞くと何を思い浮かべるでしょうか。ティラノサウルスでしょうか。あるいは、ステゴザウルスでしょうか。おそらく、何かしらの恐竜だと思います。

私の場合、人生で最初に衝撃をうけた巨大生物は「アーケロン」というカメでした。体長4メートル。白亜紀に生きていた世界最大のウミガメです。

あれは私がまだ小学2年生くらいのときのこと。おばあちゃんちに行ったら、本棚にドラえもんの漫画があるのを見つけました。パッと手に取り、読むと、ドラえもんが古代にタイムスリップする話でした(たしか、ドラえもん のび太の創生日記だったと思います)。

古代を探検するドラえもん一行。その世界は見たことない生物ばかり。「おもしろいなぁ」と思いながら読んでいたら、のび太が立っている無人島が急にグラッと動いたんです。島だと思ったのは巨大なカメの甲羅でした。「アーケロンだっ!」のび太たちは命からがら逃げだします。

それがめちゃめちゃ怖かった。

今でも海を泳ぐときは、巨大カメに食べられる想像をしてしまいます。私にとって怖いのはジョーズよりカメ。浦島太郎なんて、気が知れません。よくあんな巨大カメを助けようと思えるなと。さらに、そのカメに乗って海の底にダイブですからね。神経がどうかしています。

とにかく、カメが怖かったんですが、もう一匹すごいインパクトの強い古代生物がいました。それは「アノマロカリス」というエビの仲間でした。写真を見つけたので貼っておきます。

アノマロカリス。Wikipediaより転載

アノマロカリスの何が凄いかというと、圧倒的なデカさです。こいつが生きていたカンブリア時代は、ほとんどすべての生き物が「手の平サイズ」のチビばかりだったのですが、アノマロカリスだけ1メートルを超える超巨大生物でした。

大きさで言えば、アーケロンやティラノサウルスの方が大きいです。ですが、みんなチビの中で一匹だけデカいという反則感がアノマロカリスにはあるのです。

デカいだけではありません。強力な触手が二本生えております。しかも棘がついていて、これで獲物を捕まえてゴリゴリっと食べそうです。さらにズルいのは眼です。アノマロカリスは複眼だったと言われており、1万6000個以上のレンズで獲物の動きをバッチリ見ることができました。

私にとって怖い巨大生物ランキングの第2位に長年ランクインし続けたアノマロカリスですが、2009年に意外な弱点があることが判明しました。

顎がめちゃくちゃ弱いんです。

こんなにデカくて、トゲトゲの触手までついているのに、エビが噛めないくらい顎が弱いということが、コンピュータを用いた計算で分かったそうです。

きっと「このエサやわらけぇ~」ってものだけ、選んで選んでチョボチョボ食べてたんでしょうね。いや、しょぼいな!ティラノサウルスの走るスピードが、私の全力ダッシュより全然遅いと知ったとき以来の衝撃でした。

参考文献)
土屋健著、”知識ゼロでもハマる 面白くて奇妙な古代生物たち”、株式会社カイゼン、2019年.

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