幻のノーベル賞?パルスオキシメータを発明した日本人とは

おもしろ科学の第5回。

先日、電気学会誌2023年11月号のある記事を読んでいてビックリしました。

「えっ?パルスオキシメータって日本人が作ったの?」

コロナ騒動で一躍有名となったパルスオキシメータ。あれは日本光電工業の青柳卓雄さんという方が発明されたものだそうです。全然知りませんでした。

パルスオキシメータとは?

パルスオキシメータを説明しておくと、指先に挟んで使う医療器具でして、動脈にながれる血液が十分に酸素と結びついているかを表すSpO2(%)を測定できるマシンです。健康なときはSpO2が90%~100%ですが、肺炎や窒息などで酸素不足になるとSpO2が低下します。

COVID-19では、別に呼吸は苦しくないけど実は酸素不足で危険な状態(サイレントハイポキシア)が発生するらしく、「えっ!こわっ!」ということで、わが家でもSpO2を測るために購入しました。

ありがたいことに、うちの家族はコロナが重症化することなく、パルスオキシメータは4歳の息子が指に挟んで「100%を出せたら勝ち」ゲームをするためのおもちゃと化しました。

でも、パルスオキシメータで救われた命はきっとたくさんあったはず。すごい発明です。

幻となったノーベル賞

発明された青柳さんは、2013年にノーベル医学生理学賞に推薦されましたが、受賞とはなりませんでした。2020年に逝去。COVID-19でパルスオキシメータの価値が再認識されたので、存命であればノーベル賞は確実だったと思います。

紫綬褒章も受賞されており、その界隈では大変な有名人だったはずですが、ノーベル賞を獲ってもっと認知されて良かったのに惜しいなぁと思います。青柳さんという偉大な方がいたことを、たくさんの方に知ってもらいたいので、「幻のノーベル賞受賞者」としてこの記事で紹介しました。

パルスオキシメータの原理

さて、指先にはさむだけのパルスオキシメータ。どうやってSpO2を測っているかというと、原理はめちゃくちゃ単純です。ひと言でいうと「色を見分けている」のだそうです。

血液の中で酸素を運ぶ役割をもつのは「ヘモグロビン」というたんぱく質ですが、ヘモグロビンは酸素と結びつくと色が変わります。酸素と結びついたヘモグロビンは「鮮やかな赤色」で、結びついていないヘモグロビンは「暗い赤色」。そのため、指に赤い光を当てて、跳ね返ってきた光の吸収量をみれば、酸素量を測ることができます。

青柳さんがパルスオキシメータを発明された当初は、豆電球を使ったもので、あまり精度がよくなかったとか。そのため、いったん廃れます。

その後、LED・フォトダイオード・マイコンなどが発達して小型で高品質なパルスオキシメータが作れるようになり、アメリカの会社が改良したパルスオキシメータが世に広まります。それが日本に逆輸入された歴史があるそうです。

原理は簡単ですけど、それに気づいて実行する青柳さんはすごいなあと思います。それでも時流が合っていないと製品が流行らないとは、研究開発は難しいものですね。

ちなみに、パルスオキシメータって長くて言いづらいのですが、みなさん何て呼んでますか?わたしはパルオキ派です。

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