生成AIが作った「ベン茶ミン・バトン」

おもしろ科学の第7回。

生成AIが凄いです。まだ登場して間もないのに、上手いことAIを使いこなす人がいるものです。

日本初。AIタレントを使ったCM

たとえば、伊藤園さん。今年「お~いお茶カテキン緑茶」の新しいCMを公開しました。そのCMに出てくるタレントさんが、なんとAIで生成したもの。

広瀬すずさんにも似ているし、滝沢カレンさんのようでもあります。「これがAIで作れるのか」と驚きました。

お~いお茶カテキン緑茶TV CM(伊藤園公式Youtubeチャンネル)

賢いなあと思ったのは、AIタレントを起用した理由です。

このCMの制作では、商品がトクホであることにちなんで「明るく健康的な未来を15秒で表現しよう」というテーマがあったそうです。

どんな映像を撮ろうか。「そうだ、白髪の女性を登場させて、パッと若返らそう」。映画「ベンジャミン・バトン」を彷彿させるアイデア。ベン茶ミン・バトンですね。さて、どうやって撮影するのでしょうか。

普通なら特殊メイクやCGを使うところ。ですが、制作陣としては「ひとりの人間の30年後の姿を再現できるか自信がなかった」と言います。

「AIに作らせたらいいんじゃないか?」。やってみると、ぴったりハマったのだとか。たしかにAIなら同じ顔で年齢を自由に操作できます。うまいAIの使い方だなと思いました。

AIがCMを作るなんて、すごい時代です。AIタレントをCMに起用したのは、今回の伊藤園さんが日本初だそうですね。今後もっと流行る気がします。というのも、AIタレントを使うとめちゃくちゃメリットがあるそうです。

たとえば、CM製作費。女優さんを使うと3000万円~数億円。一方、AIタレントなら声優費用込みで数百万円で作れるんですって。安いですね~。しかも、AIならスキャンダルもない。安心して起用できます。

ところで「お~いお茶」の「お~い」って何なのでしょう。「なんでお茶に呼びかけてんねん」。長年の疑問です。

もともと「缶煎茶」だったものが「お~いお茶」に改名されたのが1988年。それから35年。私、一方的に呼びかけ続けています。

そろそろ、AIでもいいので、おーいお茶側から「は~い人間」と返事をしてほしいですね。

詐欺るAI

生成AIのユニークな使い方で言うと、詐欺の犯行手口を学習した生成AIというものがあるそうです。

開発したのは富士通さん。警察が公開している「過去の詐欺電話の音声データ」を使って、AIに手口を学ばせたそうです。「Siri」ならぬ「Sagi」ですね。

「長期間、未納の状態が続いております」
「10万1600円が未納となっております」
「民事裁判の訴状を、明日裁判所に提出することになっております」

実証実験の動画をみると、けっこう自然な男性の声で、えげつない会話をバンバン叩き込んできます。

人間が「え、何の話ですか?」と返すと、AIがノータイムで的確なワードを選んで追い込んでくる。AIなのでどんな質問でも返せる。こんなの騙されても不思議ではありません。凄すぎて怖いです。

富士通さんによると「特殊詐欺訓練AIツール」ということで、高齢者が騙されないためのトレーニングツールとして使ってもらうことを考えているようです。つまり、人間がAIに学習させるのではなく、AIが人間を学習させる。もうアベコベです。

このツール、脈拍データも取って、訓練が終わったら「あなたは騙されやすい性格です」みたいな診断までしてくれるのだとか。凄い技術力。もしAIに騙されたら、とてつもなく凹むと思うので、その技術力を活かして、優しく慰める機能も追加してほしいですね。

そういえば、最近のAIは声帯模写もできるといいます。15分くらいの音声データがあったら、その人の声をそっくりマネできるのだとか。ということは、将来、リアルな孫の声で詐欺電話が掛かってくることもありうると…。ゾッとしますね。

特殊詐欺訓練AIツールの実証実験(FUJITSU PR CHANNEL)

参考)
・関西テレビNEWS公式Youtubeチャンネル「【飲料メーカー「伊藤園」CMに”AIタレント”を起用】低コストでハイクオリティ タレントは戦々恐々?【関西テレビ・newsランナー】」https://www.youtube.com/watch?v=H2Tphiu6hUk
・日本経済新聞 伊藤園、生成AIでCMモデル 「お〜いお茶」SNSで拡散 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC235T00T21C23A0000000/
・日本経済新聞 シニアの特殊詐欺対策、生成AIで訓練 富士通が開発 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC181YD0Y3A211C2000000/

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