偽善を続けるということ

育児日記の第34回。

あけましておめでとうございます。2024年になりました。今年こそは「よきパパ」でありたいと思う私です。さて、先日びっくりすることがありました。

「はなまるうどん」での出来事です。いつも温玉ぶっかけを頼むのですが、その日はめずらしく「かけ小」な気分に。頼もうと思い、パッとメニューを見ると「税込み290円」と書いてありました。

たっけぇー!!!

いつの間にこんなに値上がりしていたのでしょうか。私が高校生のころは(18年前ですが)、かけ小は一杯105円で食べられました。部活の帰りに「はなまるいこうぜ」と立ち寄り、天かすをてんこ盛りにした「かけ小」でお腹を満たしたものです。あの思い出の味が、今は3倍の値段。

ということは。なつかしの錬金術が使えなくなったのですね…。

当時の私は105円を290円に増やす裏技を開発していました。やり方はこうです。まず、かけ小を頼み、ダシだけを一気に飲み干します。すると、麺が残ります。すかさずテーブルの上の醤油瓶を掴み、麺に回しかけましょう。はい、醤油うどんの完成です! 105円で290円の醤油うどんが食べられます。

はなまるうどんさんをダシぬき、一杯食わせる画期的な方法でした(物理的に一杯食ったのは私の方ですが)。しかし、これが禁じ手になったのですね…。醤油だけに、せち辛い…。

と、まぁ器の小さい話で2024年をスタートさせてしまいました。今年は「器を大きく」をテーマに頑張っていきたいと思います。父親として、器の大きい男でありたいですね。器を広げるためのいい話を見つけたので、ひとつ紹介します。戸部田誠さんの「笑福亭鶴瓶論」という本に、こんな話が書いてありました。

偽善を続けた先にあるもの

ある日、さんまさんと鶴瓶さんが大阪駅の新幹線のホームでばったり一緒になったそうです。鶴瓶さんは名古屋のラジオ「ミッドナイト東海」へ。さんまさんも同じくラジオで東京へ。当時はよくホームで出会っていたらしいですね。

すると、ホームで待ち構えていたファンから「おにぎりをどうぞ」と差し入れがありました。鶴瓶さんはそれを受け取ると、ファンが見ている前でパクり。それを見て驚いたのがさんまさん。「何が入っているか分からんのに、怖くないんか」と尋ねると、鶴瓶さんはこう返しました。

「たしかに何か変なもんが入っているかもしれんしな。俺も怖いよ。でもな、俺はファンを信じてこれを食べんねん。見てるとこで食べてあげると喜んでくれるやろ。芸人は喜んでもらってなんぼや」

ええ話ですね。誰もができることではありません。鶴瓶さんの良いお人柄が伝わってくるエピソードです。

さて、新幹線が発車しました。そしたら鶴瓶さん。まだ食べかけなのに、おにぎりを片付けてしまいました。「もう食べへんのか?」とさんまさんが聞くと、鶴瓶さんは当たり前のように言って笑いました。

「見てないとこで食べてもしゃあないがな」

さんまさんは呆気にとられるも、感心もしたそうです。そのときの鶴瓶さんはお腹いっぱいだったのに、無理して食べていた。「ファンを大事にするなら最後まで食べや」と言いたくなる偽善行為ですが、こういうことをコツコツやってきたのが鶴瓶さんという人なのですね。

「俺もいい人をめっちゃ演じまっせ。演じたらええねんって!」

「ええ人に見られたい」という思いで40年近く「作られた自分」を演じ続けてきたのが鶴瓶さんです(ふつうはできません!)。偽善を続けると人の性格はどうなるか。ご自身の性格について、鶴瓶さんはこう語ります。

「38年続くともう自然なの。だからよう言うの。俺、ホンマにどんな性格かわからんようになってもうたって」

自分は本当はええ人じゃないけど、ええ人のフリをしておこう。ある意味、人を騙している偽善行為ですが、38年も続けると、自分も騙されるのですね(笑)。私は、人間の器ってこんな風にして広げていくんやぁと思いました。

鶴瓶さんの周りには自然に人が集まります。彼がロケをすると「鶴瓶だ!鶴瓶だ!」と子供が呼び捨てにしながら寄ってくるそうです。それを見た山田洋二監督が「いいよなぁ、鶴瓶さんは。寄ってきたら、みんな笑ってる」とうらやましがったとか。これを伝え聞いた鶴瓶さん。

「それ、望んでたんやもん」

と言ったそうです。若い時から、そうなるようにずっと目指していたと。自然体にそうしているというよりも、目指そうとしないとできないと考えていた鶴瓶さん。子どもが近寄りやすい雰囲気づくりもすべて計算のうち。凄いひとやなぁ~と思います。勝てません。

鶴瓶さんの努力に完敗です。鶴瓶さんみたいにありたいものですね。

※あと、学生時代は散々安くはなまるうどんさんに食わせてもらったので、社会人となった今は、多少割高でもはなまるうどんさんの利益に貢献して、恩返しできる人間になりたいなと思いました。

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