この人はきっと優秀で友達も多いんだろうなと思った、秀逸な自己紹介

コラムの第57回。

自己紹介からセンスが滲み出てる人っていますよね。

私が出会った秀逸な自己紹介

先日、とあるセミナーに参加したときの話です。8人くらいの小規模なセミナーでした。まわりは知らない人ばかり。講師の方が「まずはお互いに自己紹介しましょう」と言い出しました。

といっても、会場は入学直後のクラスみたいなピリッとした雰囲気。みなさんどこか警戒しながら話していたのですが、ある男性の自己紹介が凄くおもしろかった。一気に場がほぐれて「すげぇー」と思ったので、その自己紹介を紹介します。

はじめまして、小暮(←仮名)と申します。

ぼくは中学生のとき、バスケ部に入っていました。バスケには、いろんなポジションがあります。背の高い子はセンターになりますし、司令塔っぽい子はポイントガードです。ぼくのポジションは「怒られ役」でした。みんなの代わりに、いつも先生に怒られていました。

そんなぼくも大きくなり、会社に入りました。今は特許を管理する「知的財産部」で働いています。略して知財部です。知財部というとカッコよさそうですが、実際は板挟みです。研究者の意見も尊重しつつ、特許事務所の顔も立てながら、よい明細書を作るんです。

まあ大変です。しかし、ぼくは誰よりも怒られてきたことで、逆に「どうすれば人に怒られずに場を収めるか」を会得しました。これが今の仕事に活きている気がします。

もうね、めちゃめちゃウケてましたよ。人に怒られずに場を収める技術、特許みたいに独占しないで、ぜひ私にも教えて~って思いました(笑)

それにしても、やっぱり自虐ネタは強いですね。こういうエピソードを就活の面接で話したら即採用されそう。少なくとも私は、このセンスある挨拶だけで、すごく良い印象を持ちました。「この人はきっと優秀で友達も多いんだろうな」と思わされた1コマでした。

島田洋七さん流、老後の自己紹介のコツ

自虐系自己紹介でいうと、お笑い芸人の島田洋七さんが、老後の自己紹介について、こんな良いことを言っています。

65歳を過ぎると、学歴も肩書もいらなくなる。むしろ肩書なんて邪魔になりますよ。たとえば、聞いてもいないのに「私、こう見えても〇〇銀行の専務だったんです」と言う人がいます。これは、うっとうしい。自分から言うもんではありません。

そうじゃなくて、聞かれたときに「銀行勤めで、金勘定してましたよ。人の金ばっかりね。毎日毎日、何百枚、何千枚って数えますけど、もらえるのはほんの数十枚でっせ」って言ったほうが、おもろい。

島田洋七著「島田洋七の老いてますます、おもろい人生」日本文芸社、2009年

これもタメになるなあと思いました。「専務だったんじゃ」と自慢してくる偉そうな爺さんより、クスっと笑わせてくる爺さんの方が、百倍知的に見えますし、器が大きいなと思います。

偉くなった人ほど、自分のことを下げて挨拶するのがうまい気がします。たとえば、元スターバックス社長の岩田さんのこんな挨拶も好きです。

私はごく「普通のおじさん」です。

岩田松雄著「「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方」サンマーク出版、2012年

一発でグッと親近感がわきます。

それでいうと、ソフトバンクの孫正義社長のハゲネタは鉄板の自虐だと思います。Twitterで言われた「髪の毛の後退度がハゲしい」というツイートに対し、孫さんはこう返しました。

髪の毛が後退しているのではない。私が前進しているのだ。

これで笑わなかった人類はいるのでしょうか(笑)

今回はいろんな人の秀逸な自己紹介を紹介しました。共通するのは、自虐を入れていること。誰も傷つけないユーモアで笑わしてくれる人には、とめどないサービス精神を感じるものです。

私も自己紹介からセンスを滲み出せる人間になりたいので、これからは、ごく普通の前進しながら金を数えて怒られるおじさんを目指そうと思います。

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