芸人さんはパッと話しているようにみえて実は「おもしろい話をメモしておく」を徹底している。※あの人だけは別格だった

コラムの第60回。

「おもしろい話して」

地獄のフリですよね。私も言われたことは数回しかないんですが、言われたときは背筋がゾッとしました。いざというときのために、日頃から鉄板エピソードの一つや二つ、用意しておきたいものですね。

たとえば、「おもしろい話して」と言われたときに、こんな話がパッと出せたら、楽しいかもしれません。

そうですね~。じゃあ、ジャムおじさんの声優が変わったの、知ってます?

もともとは増岡弘さんという、マスオさんの声優もされていた方が、初代ジャムおじさんだったんですけど、2019年に山寺宏一さんに交代したんですって。山寺さんは、名犬チーズの声優も担当しているので、今は一人でジャムおじさんとチーズを両方してるそうですよ。あのパン工場、いま山寺率がえげつないんです。

山寺さんといえば超実力派の声優です。でも、初代である増岡さんのことは、とってもリスペクトされていて、声優を交代するときに、こんな風にコメントしたんですって。「増岡さんは、そのお人柄も含めてジャムおじさんそのものです。代われる人などいません」って。ええこと言いますね~。名犬じゃなくて、名言チーズです。

そんな増岡さんの家の庭には、杏の木があるそうです。いい感じに実が熟したら、増岡さんが収穫して、自分でジャムを作って食べているのだとか。いや、ほんまにジャムおじさんそのものなんかい!(笑)

あれ、あんまり、おもしろくなかったですか…。すみません。まあ、面白いかどうかはさておき。パッと話を振られたときに、瞬時にエピソードで返せると「こいつ機転が利くな」と思ってもらるので得です。

おもしろい話はメモしておこう

じゃあ、どうすれば面白エピソードを瞬時に返せるかというと「おもしろい話をメモしておく」ことに尽きると思います。いろんな面白パーソンの本を読んだりして調べたのですが、みんな口をそろえて「書き留めろ!」と言っていました。

たとえば、「うたばん」や「アッコにおまかせ!」を担当している放送作家の美濃部達宏さんは、こう言っています。

大事なことは、思いついたことを書き留めておくことです。(中略)どんなにアドリブがうまいように見えても、出演者はみな、自分の話す場面に備えて事前に準備をしているのです。

いきなり「何かおもしろい話、ない?」とふられて、聞き手が爆笑するような話ができる人は、芸能界の中にもなかなかいません。(中略)プロでもそこまで準備しているのですから、一般の私たちは、なおさらです。

美濃部達宏著「なぜ、あなたの話はつまらないのか?」あさ出版、2014年

芸能人をいろいろ見たうえで、みんな事前準備しているんだと言われると、説得力があります。番組アンケートが大事と聞きますが、実際にそうなんですね。

また、お笑い芸人のニューヨークさんがYoutubeで行った「芸人にスマホのメモを見せてもらったら面白すぎたしヤバすぎた」という企画は、めちゃくちゃ参考になりました。下にリンク貼ります。

これはいきなり「スマホのメモ帳見せて!」と頼んで見せてもらうやつなのですが、芸人さんともなると、みなさん当たり前のようにメモ帳に面白いネタを書き留めていました。これが凄い量なんです。芸人さんは、日頃からおもしろくなるためにメモる努力されているから面白いんやなあということを、リアリティをもって感じられました。

たとえば、いいなと思ったエピソードはキンボシさんの「アジフライ事件」。

自粛のときに、一緒に住んでいる芸人3人(有宗さん、原田さん、初瀬さん)が家でご飯食べようと思って、冷凍アジフライを調理して食べたそうです。アジフライの数は7匹。ということは、3人で分けると計算上2:2:2で1匹余ります。有宗さんは「アジフライを買ってきた原田さんが3匹食べるのかな?」と思っていたところ、初瀬さんが1匹目を2口くらいでパパッと食べて、2匹目をみんなの1匹目と合わせた。まるで2匹しか食べてないと思わせて、3匹いこうとした、という話でした。

おもしろいですね。こういう爆笑エピソードがズラッとメモ帳に入っているんだと思うと、芸人さんが瞬時におもしろいトークができるのも、うなずけます。

ニューヨークOfficial Channel 芸人にスマホのメモを見せてもらったら面白すぎたしヤバすぎた

他には、草刈マーサさんという「ユーモアコミュニケーション」を書かれた方も、やはりメモの効用を語っていました。

見たこと、読んだこと、人から聞いたことが面白いと思ったら「ユーモアジャーアナル」として書き留めます

草刈マーサ著「ユーモアコミュニケーション 場の雰囲気を一瞬で変える!」芸術新聞社、2019年

草刈さんは、書き留めたユーモアの一例として、中島みゆきさんの「地上の星」の替え歌「日常のドジ」を紹介されていました。

♪かけたはずのめがね~ 買ったはずの豆腐~ みんなどこへ行った~ 記憶~たどるけれど無く~

ラジオのはがき職人のネタみたいですね。これも面白いなと思いました。

他には、南海キャンディーズの山里さんも、毎日家に帰るとその日の収録できいた面白フレーズをノートに書くという話を聞いたことがあります。

そもそも芸人さんには「ネタ帳」という文化がありますからね。書いて残すのが良い、書きながらネタを練るのが良い、みたいな基本的なことが、しっかりと師匠から伝わってきているのでしょう。

数々の芸人さんが面白エピソードをメモる中、まったくメモらない人もいます。それが松本人志さんです。「忘れてしまうような話は、面白くない」と言っているそうですね。まっちゃんほどの天才になると違うなあと思いました。私は凡人なので気が狂うくらいメモろうと思います。

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