膝の柔らかさだけでハワイ勤務をもぎ取ったおぎやはぎさんの話「地味ですが何か?」より

コラムの第66回。

おぎやはぎ小木さんの「面接の話」が忘れられません。

某テーマパークで働いていた小木さんは、ある日、転職したいな~と思い、旅行会社の面接を受けたそうです。

希望する勤務地はハワイ。南国で働けたら楽しいでしょ、と応募したのですが、ハワイとなると、それはもうすごい人気で、倍率が100倍だったとか。

そんな厳しい面接の中で、面接官がこんなことを言いました。

「僕は大学時代にラグビーをしていてね。旅行会社は体力が必要だから、ラグビーの経験がとても貴重なものだと思ってる。だけど、僕は大学時代に膝を壊してしまったものだから、最近は膝が痛くてね」

その膝が悪い面接官から、きみはどうなの、と振られた小木さんは、こう答えたそうです。

「僕はサッカーをやっていて、膝がとにかく柔らかいことが自慢です」

そうしたら、面接官が小木さんを見る目が変わったんですって。膝が悪い人って、膝が柔らかい人を尊敬するから、そこを見抜いてアピールをしたと言う小木さん。つまり、面接官の弱点を突いたわけですが、それが、うまくハマった。

その結果、小木さんは、膝の柔らかさだけで面接に合格し、ハワイ勤務を勝ち取れたらしいです。

膝採用。

このエピソード、おぎやはぎさんが書いた「地味ですが何か?」という本に載っているのですが、初めて読んだとき、「いやいや、膝が柔らかいだけで採用って、どんだけやねん」と心の中でツッコミました。

膝が柔らかいって、面接で切るカードとしてはワンペアくらい弱いし、それで合格したって、さすがに嘘やろな〜。そう、思っていました。

しかし、笑っていた私も、膝の前十字靭帯を切ってしまい、膝が悪いグループの一員となりました。

すると、どうでしょう。小木さんの膝を見る目が、ホントに変わるではありませんか。小木さんのワンぺア膝が、柔らかい膝が、今度はロイヤルストレートフラッシュ膝に見えてくるではありませんか。

すごい。膝を怪我すると、こんなにも膝に対する価値観が変わるものなのか。それを見抜いて、面接で膝のカードを切った小木さんは、膝も柔らかいですが、頭も柔らかいな〜と思いました。

そんなことがあり、膝の怪我をきっかけに「地味ですが何か?」を読み直したくなりました。アマゾンで注文して、10年以上ぶりに本をひらくと、やはり予想どおり、柔軟なものの考え方のオンパレードで、たいへん面白いものでした。

同じ本を読んだはずなのに、10代のころは、おぎやはぎさんみたいな、ゆるい考え方の良さって、分からなかったなあと思います。私も歳を取って、いろんなことを経験して、膝も怪我して、ちょっとずつ人生観が変わったんでしょうね。

たとえば、努力について、矢作さんがこんなことを言っていて、いいなぁと思いました。

僕らは、「自分たちが好きなことを、好きなようにやった」ってところで納得できちゃってるから、失敗しても、それまでの時間が無駄だったとか考えないんだろうね。もちろん「努力が実らなかったな~」とも。

これはすごくいい考え方だなあと思います。何がいいって、努力に結果を持ち出すのではなく、すぐに納得を持ち出してくるスタンスがすごくいい。

「努力してます!」って言う人って、結局は「いい結果」を求めているんですよね。他人事みたいに言いましたけど、私だってそうです。受験勉強を頑張ったからには合格したい。4時間煮込んだからには美味しいカレーであってほしい。ブログを書くからには、他人に見られて、あわよくば褒めてほしい。

そして、いい結果が得られたら、そこで初めて自分の努力を評価できる。実ったわ~と。そしたら、やっと納得ができる。多くの人がそうだと思います。

これって、つまり、努力と納得というパンの間に、いい結果という肉を挟んでハンバーガーにしてるんです。ハンバーガーってそういうものだと思っているのと同じくらい、「努力→いい結果→納得」というプロセスを踏まないといけないと思ってる。考え方が凝り固まってます。

おぎやはぎさんの言わんとすることは、別にいい結果という肉が無くてもええやん、無理にハンバーガーにせんでもええやん、ということだと思います。努力と納得というパンだけでも、十分うまいし、失敗という名のアンコみたいな変なもんが挟まっても、それはそれで楽しいし、なんだったらシベリアって名前をつけて売れそうです。

さて、おぎやはぎさんのストレートで分かりやすい言葉があるのに、やれハンバーガーだとか、やれシベリアだとか、変なたとえを持ち込んで、かえって分かりにくくしてしまいました。すみません。失敗です。こんなに頑張って記事を書いたのに。クソッ。無駄になった!

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