甘やかすのは正解か?

育児日記の第44回。

あんまり厳しいことを言いたくないなあ、と思います。特に子供には。

祖父がそういう人でした。とにかく優しい。怒られたことあったかな?ほんとに声を荒げているのが記憶にないくらい、まったく怒らない人で。私はそんな祖父から、大学芋でも作ってんのかい、ってくらい甘やかされて育ちました。

保育園のとき。祖父は毎日のように私をオモチャ屋さんに連れていき、ガンプラを買ってくれました。SDガンダムというシリーズの、1個500円くらいする、三等身のガンプラを、ひたすら買ってくれました。

このままではダメな子になる。

心配した母や祖母が「そんなに買ったらいかん!」と祖父を怒りました。すると祖父は「ごめんなさい。すべて私が悪いのです」と言って塩らしくするのですが、次の日も、また次の日も、ガンプラを買ってくれました。どこか憎めない。そんな祖父が好きでした。

「うちの中でくらい、甘やかしてやったらええんや」

これが祖父の口癖でした。

そんな祖父の影響を受けたんでしょうね。私にも子供が生まれ、どうやって育てようかと考えたとき、あんまり厳しく怒ったりしたくないなあ、と自然に思うようになりました。

こんなこと書くと「聖人みたいなパパなのか」と思われるかもしれませんが、いやいや、実際はめちゃくちゃ怒りますよ。イヤイヤ期とかね。ストレス溜まりますし。それこそ、片付けしない息子に「いいかげんにしろ!!!」って怒鳴りまくってました。

だから、全然聖人じゃないんです。あくまで、自分の感情がコントロールできる範囲の中で、なるべく怒らないを心掛けている、ということなんですけどね。

そんな私が、ちょっと心揺さぶられることがありまして。少し前のことです。天気のいい日曜日でした。

4歳の息子は外遊びがしたいご様子。私は足を怪我しています。松葉杖で生活しています。なので、基本外出しないんですけど、まあ、いい天気やし、たまには外に連れてったるか、と思いました。

「公園いこかー」

すると息子が、お絵描きしていた姿勢から、ピョンと跳ね上がって。「いく!いく!」と。嬉しそうにするんですよね。可愛いなあ。

「どこの公園いく?」

私としては、足が痛いので、あんまり歩かなくていい公園がいいなあと思いました。で、何個か候補を挙げるんですけど、息子はうんと言わない。首を横に振って。「おしりがゴロゴロするこうえんがいい」と。

えー。それ、車で1時間くらいかかる公園なんですよ。しかもバカ広い。いやだなぁ。公園いくとは言ったけどさぁ。パッと行って、パッと帰りたいのよね。で、私が近場の公園ばっかり進めると、

「いやだぁー!ゴロゴロがいいー!」

って、すねだした。あーあ。めんどくさいモード。ちょっとイラっとしますが、ここは我慢。怒らない。怒らない。と思うのですが。つい、

「そんなイヤなんだったら、公園いかないよ」

なんて、意地悪なことを言ってしまいました。そしたら、まあ当たり前ですけど、いやだぁー!いやだぁー!と息子はヒートアップ。火に油。はぁー、と思いながら「もー、じゃあ公園いくから車のりー」と息子を促します。そんで、息子も乗ってくれますが、あきらかに不機嫌。

無視するんですよ。私のこと。はぁー、と思って。私言いました。

「楽しく行きたい!公園は楽しく行くものだよ!」

えっ、て顔で息子がこっちを見てきます。びっくりしたでしょ。怒ると思ったでしょ。違うんだなぁ~これが。

「これ食べて!元気出しなよ!」

急にアンパンマンみたいなことを言い出す私。公園でたべようと思っていた煎餅をカバンから出して、ひと袋あけました。ほれっ!たべな!一枚差出しました。すると、息子は、一瞬で笑顔に。おいしい?って聞くと「おいしい…」と。無視モードも解除してくれたみたい。

おやつで釣っちゃった。甘やかし過ぎでしょうか。でも、いいですよね。。不機嫌で公園いったって楽しくないもの。息子の歴史に「地獄の公園」という一日が刻まれなかっただけで御の字。かわりに「パパと過ごしたハッピーな一日」を書き込めるなら、やっぱり甘やかしていきたい。

そして、公園に到着。

そこは二階建ての家くらいの高さの、でっかい滑り台がある公園でした。すでに親子連れが7組くらいいました。ここなら歩き回らなくていいよな、と思って選んだ公園でした。

息子は一目散に滑り台へ。めちゃくちゃ嬉しそう。さっきまでブツブツ言ってたの誰やねん、という変わり身の早さ。現金なものです。

で、私は公園の端っこまで、松葉杖でよっこら歩き、座って、遠目で息子を眺めました。

なんだか、周りから見られているような感じがしました。松葉杖だからですよね。ああ。なんかいい気分。松葉杖ついてまで子供を遊ばせにくる偉いパパ、という尊敬のまなざしを向けられているような気までしてきました。気のせいか。

しばらくすると、息子は、赤いジャンパーの男の子と友達になり、鬼ごっこを始めたようでした。逃げる息子。追いかける赤ジャンっ子。赤ジャンくんは、息子より小さい感じがします。3歳くらいかな?

3歳と4歳の鬼ごっこは、まあ4歳の息子が圧倒的に有利で、ぜんぜん捕まりません。

えっ、おまえ・・・、と思ったんですけど、うちの息子、ぜんぜん捕まってあげないんです。年下の子なんだから手加減してあげればいいのに。赤ジャンくんは、ずっと鬼。なんか可哀そうになってきました。

しかも。息子の逃げ方が、ちょっとウザめ。

わざと止まって、赤ジャンくんが追いかけてくるのを待ち、手が届くかな~、ってところでダッシュ。「キャハハハー」とあざ笑いながら逃げるんです。で、それを繰り返している。ヤな奴(笑)

「赤ジャンくん、ごめんね。うちの息子が煽りプレイして。遊んでくれて、本当にありがとう」って私は心の中で念じながら見ていると、その赤ジャンくんのお父さんが登場。

スキンヘッド。かなり厳つい見た目。「ああっ!うちの息子がすみません!」反射的に謝りたくなりました。でも、そのお父さん、めちゃくちゃニコニコしてて。さらに、赤ジャンくんを肩車して、「まて~」って言いながら、うちの息子を追いかけてくれるではありませんか。

なんていい人!

すみません、ありがとうございます、ありがとうございます。私は心の中で感謝を唱えまくりました。声が届かないくらい離れていたから、せめて感謝の念を送りたかったんです。走れない私の分まで、息子と遊んでくれてありがとうございます、と。

しばらくして、もう嫌になったんでしょうね、赤ジャンくんが「つかれた~」と言って、ママ(ハリウッド女優くらい大きなサングラスをしている)のところに行きました。スキンヘッドのパパは、相変わらずニコニコしています。

(ありがとうございました!)

私が心の中で土下座せんばかりに感謝していると、うちの息子もやってきました。はぁー、楽しかったと言っていました。よかったね。

でも、あの煽りプレイはどうなんだろう、きつく言った方がいいのかなぁ、と脳裏をかすめました。が、まぁええか~と思って、「お菓子食べよっか~」と、息子と二人で煎餅の続きを食べました。そしたら、息子がポロリと一言。

「あのこ、なんで遊んでくれなくなったんだろ~」

いやいや!それは、あんたが煽りプレイしたからやろ!と思ったけれど、言うのをグッと我慢して、「そうだね~。つかれちゃったんじゃない?」と返しました。「それに、あの子、ずっと鬼だったし。捕まってあげたらよかったんじゃないかな」ってアドバイスもしました。

息子は、そっか~。と言ってましたが、本当に分かっているのか、怪しいなぁ。

もう、この辺りから、私の価値観がグラグラしてきたんですよ。普段は「厳しいこといわない」と心に決めてますが、さすがにビシッとするところは、ビシッと言った方がいいのかな、と。その方が息子のためなんじゃないだろうか、と思えてきて。うーん。どうしたもんかなぁ。

でも、子ども同士の遊びって、あんまり大人が干渉するのも野暮だよなという気持ちもあります。できるだけ、息子の自主性に任せたい。そうですよね。ここで厳しいこと言って、公園が楽しくなくなるのも可哀そうだし。うん。やっぱり褒めて伸ばすでいこう。

そう思ったところで、なんと、あの赤ジャンくんが、やってきました。

また、一緒に遊んでくれようとしている。私、それ見て感動しちゃって。嬉しくて。あんなにうちの子が煽りプレイしたのに、まだ一緒に遊んでくれるんだ!なんて優しいんだ!って。

息子の横にスッと座る赤ジャンくん。そのたたずまいは、とても3歳児には見えません。「分かってるぜ、また俺と遊びたいんだろ」とでも言いたげな、大人の余裕すら感じられました。かっけぇ。

さぁ、息子よ。ここで決めるべきセリフは分かっているな。「さっきはありがとう。今度は僕が鬼になるね」だぞ。間違えるなよ。と思うやいなや、息子は、赤ジャンくんに一瞥もくれず、

「キャハハハハハ」

と走り去っていきました。一緒に遊ぶ流れだと思っていた赤ジャンくんが、「えっ」と言ったのが、耳に残って、忘れられません。

やっぱり、厳しくしたほうがいいのかなぁ。

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