小2 on the 中3膝

コラムの第81回。

最近通っている整形外科クリニックの話です。そこの駐車場が、ちょっと変わってるんですよ。

まず第一駐車場。第一駐車場はクリニックと繋がっていて、近いので、みんな第一に停めたがります。でも、第一はちょっと狭い。しかも細くて長い。アルファベットでいうとJみたいな形をしています。

第一駐車場の入口からは奥が見えません。空いているかどうか分かりません。こういうとき、気の利いた駐車場だったら入口に「空車」みたいな電光掲示板があったりしますね。でも、ここのクリニックにはありません。

イチかバチか。行ってみるしかないんです。今日も車で第一駐車場に入りました。ちょっと進んで、周りをグルっと見てみる。うん、空いてない。また、ちょっと進んで、グルっと見る。全然空いていない。そんなことを繰り返して、Jの真ん中くらいまで来るころには、もう引き返したくなっています。

半分まで来て1つも空いていないということは、残りが空いている可能性は極めて低いでしょう。おそらくここで引き返すのが正解。しかしですよ、もしこれで引き返して、後で見に行ったら「実は奥に1席だけ空きがあった!」なんてことになったら、どうします? めちゃくちゃ悔しいじゃないですか。

だから私は、行くぞ!奥までいくぞ!この漢気に免じて頼む!空いていてくれ!なんて思いながら、とうとう奥までやってきました。そしたら案の定、空いてないんです。マジか。ここからバックで引き返すんか。

だる過ぎます。しかも今日は大雨で。サイドミラーが見えません。もう日も暮れてしまって真っ暗。後ろも見えません。怖い!怖い!と思いながら、バックして。なんとか外に出られました。

ひどい目にあいました。ほんと勘弁してほしいです。

第一は満車だったので、仕方がないから第二駐車場に行きました。第二駐車場もあるんですよ。第二駐車場はけっこう広いんです。それなら、わざわざ混んでる第一に停めようとしなくてもいいじゃん、と思いますよね?

まあ、そうなんですけど、ちょっと理由があって。

というのも、第二駐車場はけっこう遠いんです。遠いだけならいいんです。全然歩きます。むしろ歩くの好きです。じゃあ何がダメなのかというと、私の見た目です。今の私は松葉杖をついています。そんな奴が、わざわざ遠い第二駐車場に車を停めて、ヨタヨタ歩いてきたら、どう思われるか。

「ああ!かわいそうなことさせてしまった!」

って看護師さんを悲しい気持ちにさせてしまうかもしれません。それが嫌なんです。考えすぎでしょうか。でも、以前クリニックの看護師さんに「第二駐車場ってどこにあるんですか?」と聞いたとき、私の松葉杖を見られながら、こんなことを言われました。

「第一駐車場に停めてくださいね。松葉杖の方に第二駐車場は遠すぎますから。もし第一に停められなかったらお電話ください。なんとかします!」

ありがたいんですけど、そんなことを言われると、第二駐車場に停めづらくなります。それに、第一駐車場のあの狭い通路を車で塞いだ状態で「満車ですけど何とかしてください」って電話をかけるのって、なかなかですよ。そんなに神経太いことできません。

だから今日は、第二駐車場に停めて、看護師さんに見つからないように、コッソリとクリニックに向かうという(笑)自分なにしてるんだろうって思えました。余裕持って家を出たのに、時間もギリギリになって。雨もすごいし。しんどいわぁ~と思って、クリニックに入ったんですね。

そしたら、まあ混んでて。椅子とかソファとかたくさんあるんですけど、見事に全部埋まっているという、過去いちばんの混雑でした。駐車場のモヤモヤも相まって、かなりうんざりです。

はぁ~、と思いながら、ふと横を見ると、とんでもない光景が。「なんやこれは!」となりました。

そこには黒いひとり掛けのソファがありました。そこに小学2年生くらいの可愛い男の子が座っています。なんか図鑑みたいなのを一生懸命読んでいる。それだけじゃありません。その可愛い男の子は、ソファに直接座っているのではなく、ソファに座っている中学生3年生くらいのお姉ちゃんの膝の上に座っていたのです。

なんやこれ!めちゃくちゃ可愛いやないか!

衝撃を受けました。異常なまでに可愛いんです。よく電車とかで、小さい子がお母さんの膝の上に乗っている光景あるじゃないですか。あれもカンガルーみたいでホンワカしますけど、今日見た小2と中3の姉弟は、その比ではありませんでした。

なんでこんなに可愛いんだろうと考えてみると、子どもの気遣いがにじみ出ているからじゃないか、と思い至りました。「混んでるからなるべく席を譲ろう」そういう気遣いを感じます。

簡単にできることではありません。なんといっても、上に乗っているのは小さい子ではありません。小2の男子です。けっこうデカいんです。私の膝に乗られても「重いわ!」となるくらいの、ずっしりしたサイズ感。膝にのせるのは、しんどそうです。

その重みを耐えているのが、思春期まっさかりの中3女子というのが、また尊さを引き立てています。一般的な母親に比べたら、中3はカラダも小さい。そんな小さいカラダで、ずっしりとした小2の重みを支えている。無理している。なんて優しい子なんでしょうか。とても反抗期な時期の女の子とは思えない慈愛。

妄想は加速します。

きっと混雑していたから、別々の椅子に座れなかったんでしょう。最初はお姉ちゃんが「ソファーもーらいっ」と座った。そしたら弟が「ずるい!」と言って、お姉ちゃんの膝に乗った。お姉ちゃんとしても弟だけ立たせるのも悪いから、重いけどまぁええかと思って膝にのせてあげた。こんなところじゃないでしょうか。

心が温かくなりますね。

さっきまでトゲトゲしていた気持ちがスーッと平穏になっていくのを感じます。混雑していたからこそ見られた姉弟愛。すばらしいなぁと思いました。ええもん見させてもらいました。

これが「おじさんの上に別のおじさんが乗っている」では逆に怒りが湧きます。「おばあちゃんの上におばさんが乗っている」でも風情がありません。やっぱり小2が中3の膝に乗っているのがいい。

小2 on the 中3膝 is the most beautiful.

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