レモンラッシー

コラムの第83回。

生まれて初めてレモンラッシーを飲んだ話です。

このあいだ、私がキッチンで洗い物をしていたときのこと。母が帰ってくるなり、私のところにきて、大量のレモンが入ったビニール袋を見せつけてきました。

「もらってきちゃった」

それどうしたん?と聞いたら、知り合いの陶芸家さんにもらってきたと。どういうこと?と思うじゃないですか。詳しく聞いたら、ある用事があって陶芸家さんのところに陶芸体験をしてきたと。その帰りに、庭に実っているレモンを「これお土産にどうぞ」と持たせてくれたそうです。

「自家製だから無農薬なんだよ」

母は嬉しそうにレモンを見せてきます。そうなんや、陶芸の話が気になるけど、まあええわと思って「へぇ~、よかったねぇ」と返しました。すると母がこんなことを言い出しました。

「これでレモンラッシー作ってあげるね」

なんやそれ!?マンゴーラッシーなら聞いたことあるけど、レモンラッシーなんてあるの?というか、さも当たり前みたいに「レモンラッシー」って言ってるけど、私が知らないだけ?有名なの?いろいろ気になることが出てきます。

これは楽しみやなと思いました。「へぇ~。じゃあ頼むわ~」そっけなく返事をしてしまいましたが、内心は凄くワクワクしました。はやく作ってほしいな。どんな味がするんやろ?

さて、次の日、母が約束通りレモンラッシーを作ってくれました。作り方は、レモンをざく切りにしてミキサーに入れ、牛乳とヨーグルトと砂糖も入れてガーッ!とするだけ。無農薬だから皮も入っています。つぶつぶの入った白っぽい液体を提供してくれました。めちゃくちゃうまそう。

飲んでみると、これがまぁうまいんです。すーっとさわやかで、ほんのり甘味がある。マンゴーラッシーよりも好きかもしれません。初めて飲むレモンラッシーでしたが、ちょっと懐かしい味がしました。

あれは武蔵新田という街に住んでいたときのこと。駅前に有名なケーキ屋さんがありました。ちょっとした記念の日にケーキを買って、妻と食べた思い出のお店です。

そんな武蔵新田を去ることになり、引っ越しの当日、もう食べられないから最後の記念に、とケーキ屋さんで買ったのが「レモンケーキ」。家具が無くなり、ガラーンとした家の中で食べた、甘酸っぱいレモンケーキの味に、レモンラッシーがそっくりでした。なんか切なくなりました。

あと、レモンラッシーは、レモンの皮のつぶつぶがいい味を出していて、生レモンサワーみたいなフレッシュさもありました。これはうまいな、また作ってもらおうと思って、母に感謝の気持ちを伝えようと思いました。

そこで、フレッシュ感があって良かったよ~という意味で「生レモンラッシーおいしかったよ」と言ったんですね。そしたら母が「洗剤みたいやな」と。

それはママレモンラッシーです。しつこい油汚れもすばやくスッキリか!

あ、でも、母に作ってもらったので、ママレモンラッシーでも合ってるか。いやいや、洗剤ってことは、ママレモンラッシーだと「まずかったよ」の意味になっちゃうじゃん。

美味しかったのに。ちゃんと感謝通じたかなぁ?不安になりました。

余談

話かわりますけど、ラッシーってインドカレー屋で出てきますよね。日本にあるインドカレー屋って、ほとんどインド人が経営してないらしいですよ。キッチンにいる人たち、インド人に見えて、実はネパール人らしいです。

というのも、日本で出てくるインドカレーって、本場の味そのものじゃなくて、日本風に結構アレンジ加える必要があるんですね。インド人だとプライドが邪魔をして母国の再現をしがち。けれどネパール人ならアレンジに抵抗がない。しかもネパール人は国民性が真面目だったから、ビジネスとしてピッタリだったと。

あと、ラッシーって聞くと「名犬ラッシー」というワードが連想されるのですが、なぜか頭に浮かぶ映像は、犬に寄り添った少年の上から天使が舞い降りてくるシーン。「いや、それフランダースの犬!」ラッシー飲むたびにセルフツッコミしています(これって私だけ?)

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