お前のパンツ、カルバンクラインなのな

コラムの第94回。

よく手入れされた高級な革靴を履いている人を見かけると「おっ!」と思います。そういう人は靴下のセンスもよく、ちらっと見せる足元からお洒落さがにじみ出ているものです。すごいなぁ、見えないところにまで気を遣えてこそ本物のお洒落なんだなぁと思わされるのですが、その理論でいくと、高級なパンツを履いているやつが最強なのではないでしょうか。

私の中で、史上最強のイケメンはクリスティアーノ・ロナウド一択であり、そのクリロナ様がパンツ一丁で堂々とたたずんでいるパッケージでおなじみの「カルバンクライン」は、パンツ界のバロンドールです。一枚3000円もする超高級パンツですので、庶民の私には手を出しづらい代物でございました。

しかし、男たるもの、いちどはカルバンクラインを履いてみたい。あの腰のゴムのところにデカデカと書いてあるCalvin Kleinの文字をチラリと見せ、「こいつ!カルバンクラインを履いてやがる!できるな」と思われてみたい。カルバンチラリンしてみたい。

もちろん私はすでに結婚しているので、妻以外の婦女子にパンツをお見せするつもりは毛頭ございません。職場やバスケの友人男性たちに、ふとした瞬間にカルバンチラリンして、すげぇと思ってもらいたいだけなのです。

このように、かねてよりカルバンクラインに憧れていたのですが、数年前に一念発起し、「憧れるのはやめましょう」と言ったとか言わないとかで、現存するパンツを全て捨て、カルバンクラインに乗り換えました。

カルバンクラインが届いたときは感動しました。腰にCalvin Kleinの文字をまとっているだけで、ワンランク上の男になった気がしました。コンビニに行き、ガムを一つ買いました。心の中で「おれカルバンクライン履いてるしな」と思いながら買いました。店員さんの視線が少し熱かったように感じました。

それからというもの、バスケの着替えをするとき、体育館の隅でズボンを脱ぎながら、さりげなくCalbin Kleinのロゴをアピールするようになりました。しかし、なかなか気付いてもらえません。職場でも、たまにズボンのすき間からカルバンチラリンするのですが、反応がありません。

あれっ。思ってたのと違う。

そして先日、ついに一度も「すげぇ!」と思ってもらえないまま、カルバンクラインのパンツに大穴が二つもあき、さすがに履けなくなりました。よく考えれば、オジサンのパンツなんて誰が見たいねん、という話です。

パンツは「見せ心地」ではなく「履き心地」で選んだほうがいいと学んだ私は、今日もユニクロのエアリズムを履いています。

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