前十字靭帯の手術日記その4.入院4日目(手術当日)

入院日記のパート4です。

過去回をご覧になっていない方は、こちらからどうぞ。
・パート1:怪我~入院前日まで
・パート2:入院1日目
・パート3:入院2日目~3日目

入院4日目

手術当日です。

不安で寝られない

5:00 あまり寝付けませんでした。手術のことを考えると、それだけで胸が締め付けられる…、なんてことはないのですが、頭のどこかで気にかかっている感じがして、眠りを妨げてきます。もう眠れそうにないので小説を読みました。

5日振りの排便

9:20 向かいの男性の患者さん(Sさん:仮名)が、5日振りのうんちをしに、トイレへ行きました。久しぶりの自立歩行。「あれ!歩けてるやん!」と通りすがりの看護師さんが驚きます。

「ちょっと大事なことしにいくんよ」いつもの調子でSさんが言いました。
「なに?大事なことって」
「すごく大事なこと」
「あっ!わかった!うんちや!」
「いうなよ〜」

Sさんの周りには看護師さんが集まります。明らかに私よりも訪問回数が多いし、一回の滞在時間も長い。Sさんは絶対に冗談を飛ばすものだから、看護師さんも楽しいのでしょう。真似できないなあ、すごいなあ、と思います。

テレビカード

9:24 カーテン越しにおじさんが覗きこんできました。同室のKさん(仮名)です。「今日で退院するので」なんと退院の挨拶でした。一度しか話したことがないのに、なんて律儀な人でしょう。

すごくいい笑顔でした。Kさんは「手術がんばってくださいね」と言って、1000円のテレビカードを手渡してきます。「使い残しちゃったから」なんといただいてしまいました。なんていい人でしょう。もっと話せばよかった。

ストッキング装着

10:00 右足にストッキングを装着しました。

不吉な新入り

私の暮らす四人部屋に、新入りのおじいちゃんが二人収監されました。

ひとりはAさん(仮名)。「Wi-Fiがない!だから個室がいいと言ったのに。言うこと聞かん病院や」とさっそく怒っていて、やべえやつがきた、と思いました。

もうひとりはHさん(仮名)。「コンセント一口しかないんかっ」とこちらも怒っていました。やべえやつがダブルできた、と思いました。

ポケットWi-Fiと延長コードを準備してきたわたしは、見つかると面倒なことになりそうな気がして、軽く挨拶だけして、気配を殺しました。

高まる不安

12:00 あと1時間後には手術か…。ベッドで仰向けになっていると、胸の鼓動が感じられるくらい緊張してきました。鳩尾のあたりがキュウと絞られるようです。手術が怖いです。特に、導尿のカテーテルを抜く痛みが恐ろしい。

でも、出産に比べたら一万倍マシだよなあ、と思います。手術中は痛みないし。自力で何かするとかないし。あらためて妻は本当にすごいと思います。二人も産んでくれて感謝です。

かなしい事実

12:25 悲しい事実を知ってしまいました。新しく同室に来たHさん、クチャラーです…。

クチャ、クチャ、ピチャ、ジュルルッ、エハッ! ガハッ! チュル、ジュルルル。80歳を過ぎているから、仕方がないですかね。

とはいえ、人生でトップ3に入るくらいの爆音のクチャラー。飯が不味いです。これからはイヤホンしてご飯を食べようと思います。

手術へ

13:00すぎ。「移動をお願いします」と看護師さんに告げられ、付き添っていただきながら、自力歩行で手術室まで向かいました。手術室のある階は、真っ白な廊下に無機質な扉が並んでいて、大学の実験棟を思い出します。

頭にネットを装着して、オペ室にも歩いて入りました。オペ室の真ん中には、機関銃のようなライトに照らされたストレッチャーがあり、その周りに7~8人くらいのオペ着に身を包んだ人間がいます。銀色のトレーには手術具が。「なんかドラマみたいだなあ」という月並みな感想を持ちました。

ストレッチャーの上で横になり、名前を呼ばれます。左あしには、間違えないようにとマジックで書かれた「ひだり」の文字が刻まれています。「いや、書かんでも分かるやろ」と思ったのですが、誰にもツッコめないままオペに臨んでしまいました。

「麻酔の点滴を入れますね」と言ってくれたのは、若い男の人でした。指導医の指示に従って針を刺してくるのですが「あれ、皮膚が堅いのかな」などと言いながら2回失敗。手術前のすべての事柄がスムーズに行ってくれないと、ちょっと不安になります。

点滴から麻酔を入れられると、肩がゾワゾワする感覚がありました。すぐに意識が遠きます。10秒くらいで眠りについたと思います。

手術中は夢を見ていました。

膝を手術される夢です。「早く治してくれ!」と焦って声を上げている夢でした。

目が覚めると、意識が朦朧としました。「終わりましたよー」と声をかけられたのは、かろうじて分かるのですが、呂律が回らず、うまく返事ができません。手術は二時間半かかったそうです。

病室に帰ってから

18:00 ベッドに横になったまま、ゴロゴロと押されて移動し、病室に戻ってきました。酸素マスク、点滴、血圧計がついています。軽く乗り物酔いをしたような吐き気があり、起き上がれそうにありません。

猛烈にのどが渇きます。水が飲みたい。でも、あと2時間は飲めないらしい。左足は、足首から先だけが動かせました。膝の周りの感覚は、ひざを逆方向に折られているような「ダメさ」があります。重たい感じ。骨の奥が鈍く痛む感じ。動かしたい衝動に駆られます。

18:40 太ももが焼ける感じがします。軽いやけどのような痛みです。耐えられないほどではありません。

消灯後

22:40 寝られません。お尻が蒸れる。かかとが痛い。足を固定されて体勢が変えられない。しんどい。

あと、お腹すきました。昨日の夕方6時から何も食べていないのです。後で知ったのですが、今夜は軽食可だったらしく、看護師さんに「なんか食べるもんもっとん?」と聞かれて「えっ!持ち込んでよかったの!?」と驚きました。

昨日のうちに売店でパンとか買っておけば食べられたのですね…。大失態。つらいなあ。

25:00 睡眠導入剤をもらいました。ここまでくると寝付けない原因がよく分かってきます。犯人は体勢が変えられないこと。これがきつい。踵や腰に力が加わり続けて地味に痛いのです。耐えられないほどではないのですが、睡眠の邪魔をしてきます。

体勢を変えられない辛さに比べれば、空腹とか、膝自体の違和感などは、些細なことに思えてきます。

「ずっと仰向けで、動けなくて、寝られないです」と看護師さんに訴えると「横向きになってもいいよ」と横向き用の枕をくれました。これですごく楽になりました。なんだ、早く言えばよかったんだ。「あ、これは寝られそう」と思った途端に意識が遠のきました。

夜中、懐中電灯の灯りで4、5回起きた。点滴を変えたり、尿を取ったり、看護師さんが世を徹してお世話してくれる、その灯りでした。ありがたいことです。

あと、隣のHさんのイビキが凄かった。

まとめ

手術当日を振り返りました。不安になりました。緊張しました。手術が始まると、全身麻酔なので記憶がなく、あっという間でした。夜はきつかったですね。寝られなくて。

もし前十字靭帯の手術をされる方がいれば、「パンを買っておく」と「横向き用の枕をもらう」は、ぜひ忘れないようにしていただきたいと思います。この二つがあるのとないのでは天国と地獄です。

あと、同室にきたHさんには、以後長く苦しめられることになります。

次回は手術翌日の話を書きます(こちらからどうぞ

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